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目が覚めて、数日後
私は少しずつ、両親と話をするようになる
「Aおはよう、よく眠れた？」
「うん、おかげさまで。」
朝1番に私の元へ訪れた母は
返事をすれば、そう、と微笑んでくれた
母親も父親も、毎日私に付き添い、
そしてずいぶんと優しくしてくれたから、
私、愛されていたんだな、と、
そんなことまで、思ったりして。
「体の調子はどう？まだ頭は痛むの？」
病室の窓を開け、換気をしながら母が聞いてくる
柔らかい風が、頬を撫でた
・
ついこの前、医者と両親から私にあったことを聞かされた。
今は、高校2年生の夏休みの真ん中で
私は学校でやっている夏期講習から帰る途中、
車通りの多い危険な十字路で、交通事故に遭った。
そして頭を強く打ち、5日間ほど意識が戻らなかった、と。
私は勉強と読書が好きで、大人しい性格だったという話も聞いた
夏期講習も自分で行きたいと言い出し、
事故に遭ったその日も、少し早めに家を出ていたらしい。
・
「頭はたまに痛いけど、でもずっと痛いわけじゃないよ」
「あらほんと。良かったわ」
母親がまた、嬉しそうに微笑む
その時にふと、急に気になったことがあった
「そういえばお母さん、私に友達は多かった？」
「友達？」
「うん、同じクラスの友達とか、いたのかなって」
私の質問に、母親の表情が少しだけ歪む
だけどすぐに彼女は無理に笑って、
「……そうね、きっと。」
なんて、どこか苦しそうに、返答を濁した。
・
母親としばらく話をしていると、院内を散歩することを提案され、
私は初めて、病室の外に出ることになった。
足をあまり動かしてこなかったから、
歩くたびにギシギシと軋んでいるような気がする
廊下を歩いていれば、ここは患者の多いとても大きな病院であることがすぐにわかった
そして、患者はみんな大人ばかりで
この中では私が1番若いんじゃないかと思うくらい。
ぼんやりと鈍い足を動かして、院内を隅々まで探検する
自分の病室からずいぶんと遠くに来て、
そろそろ戻ろうか。そう思い始めた時、
すぐ目の前の病室から、
夏の暖かい風が、ふわりと吹き込んできた
思わず覗き込んだ部屋の中に、
開け放した窓の外を眺める、男の子の後ろ姿。
風が、その人の髪を揺らす
突然なぜか、涙が溢れそうになった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» こんばんは！お久しぶりです！また読んでいただけて嬉しいですありがとうございます^^ 少しずつですがお話をまだまだ書いていますので、楽しんでいただけたら幸いです。こちらこそいつもありがとうございます！ (2021年10月30日 23時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんばんは。大変ご無沙汰しておりましたが、詩愛さんの作品の香りを嗅ぎ付けてやって来てしまいました( ￣▽￣)まずは第一章お疲れさまでした。これから先の展開もドキドキさせていただきますね。いつもありがとう。 (2021年10月29日 19時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ひだかくんさん» いつもありがとうございます！いろいろ気になることがたくさんありますよね……ぜひ今後の展開にも期待してくださいね。ありがとうございます、無理せず更新いたします！ (2021年8月4日 23時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
ひだかくん(プロフ) - 高評価が一回しか押せないのがすごく悔しいです(ToT)廉君と主人公ちゃんがこれからどうなっていくのかなとか、きちんと思い出せるのかなとかめっちゃ気になります笑 作者さんも無理のないようにしてくださいね！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 10f3d7dc91 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - ミツキさん» ありがとうございます！まだまだ先は長いので、今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年7月26日 15時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2021年7月24日 16時
