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私たちは、適当につまめるものを頼んで、
ゆっくりと、言葉を交わす。
「また会えて、良かった」
「ん、俺も。」
瞳がゆっくりと弧を描いて、廉くんが笑って
そんな表情ひとつでも、私の胸は高鳴るんだ
「廉くん、ダンスサークル入ったんだっけ」
「あー、そう。だけどもう辞めよかなって」
「え、どうして？」
君の近況を聞こうと思ったのに、予想外の言葉で驚かされた私
廉くんは、背もたれに背中を預けて、
「なんか、んーなんやろ。もうええかなって」
少しだけ嫌そうに、顔をしかめた
「……ダンス、楽しくないの？」
私の質問に、廉くんは少しだけ笑う
「いや、楽しくないとかそういうんやなくて。」
「うん」
「……女の先輩とかいっぱいおるんやけど、あんまもう話したくないからさ」
君が先輩に気に入られていたことは、さっき聞いたから知っていたけど、
改めて言われると少し、不安になった
「………そんな顔せんでええよ。」
ふと、廉くんが優しく、私にささやく
「サークル辞めたら、時間めっちゃできるやん？そしたらAとずっと一緒に居られる。」
昔の君だったら、絶対に言わないようなセリフ
甘くて、優しくて、愛おしい言葉。
「………てかむしろ、一緒に居させて。」
うまく応えられず、固まっていた私に、
廉くんは、すっと目を細めてそんなことを言う
その表情があまりに魅力的で、
また胸が、うずいた。
夕方、私たちはレストランを出る
「家まで送る」
「ありがとう」
久しぶりに聴けたその言葉が、じわりと心を溶かした
ふたりで乗り込んだ車、運転席に座る君
「道案内よろしくー」
「うん、わかった」
助手席から見る君の横顔は、とてもかっこよかった
暗くなり始めた街を、私たちは走り抜ける
私の家の前に着くと、エンジンを止める廉くん
「ありがとう、送ってくれて」
「当たり前やろ」
「……廉くんはかっこいいね」
「……Aはそういうとこ、めちゃくちゃ可愛いよな。」
思わず息が止まった私を見て、君はいたずらっぽく笑う
「廉くんにそんなことはじめて言われた、」
「いつまでもガキちゃうで、俺だって」
すっと握られた手が、熱い
「………もう二度と、寂しい思いはさせへんから。」
そんな君を、
「ありがとう、」
もう一度、信じてみたい。
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詩愛(プロフ) - janiizさん» はじめまして！お読み頂きありがとうございます〜！繋がりに気がついて頂けて何よりです^^ そう言って頂けてとても幸せです私はT_T 今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年5月28日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
janiiz(プロフ) - はじめまして！私は最初、海人くんとの海のお話を読んでいたので、繋がっていることに気づいた時は凄く驚いきました！！どのお話も本当に面白くて、感動して最高です！詩愛さんのお話大好きです！これからも頑張ってください！ (2021年5月25日 19時) (レス) id: ee18d358d6 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しぃたんさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！またよろしくお願いいたします^^ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃたん(プロフ) - もう、めっちゃ泣きながら読んでました。続き読んでみたいです。 (2021年1月16日 23時) (レス) id: 92dc000457 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - lemon09さん» ありがとうございます！笑 今日はゆっくり休んでくださいね！ (2020年12月20日 11時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年9月29日 22時
