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その日の夜は、あの夏、君と初めて気持ちが通じた日のように、
心がふわふわと浮わついてしまっていて、なかなか寝付けなくて。
ベッドの中、寝返りを何度も打って、眠れない夜を過ごす
眠れない夜、と言っても
今までの、つらく涙で溢れたような夜じゃなくて、
たくさんの幸せに全身が包まれているような、そんな暖かい夜。
「………明日もまた、廉くんに会えるかな」
月明かりの差し込む窓に向かって、自分の手をかざす
夏らしい少し蒸し暑い空気も、今は全然気にならなくて。
私はまた改めて、君の大切さを思い知る。
そのうち、眠気が急に襲ってきて
夏の真夜中、私はそっと、目を閉じた。
・
次の日の朝
目が覚めた瞬間、すべてが夢だったような気がして。
慌ててどこかに君と会った痕跡を探すけど、
何も、ない。
………あれは、夢だったの？
息が苦しくなったその瞬間、ケータイがメッセージを受信して、
急いで駆け寄って確認すれば、
「おはよ」
“永瀬廉”、その名前が、久しぶりに画面に映っていた
よかった。夢じゃ、なかった。
安心して身体中の力抜け、その場に座り込む
「おはよう」
返事を返してから、ちょっとだけ、過去の自分を恨んだ
未だに君とSNSは繋がっていて、いつでも連絡がとれる状況だったっていうのに、
一度も連絡しなかった私にも、間違いなく非があって。
私たちは、お互いにこどもだったよね。
きっと今よりも、もっと。ずっと。
廉くんは相変わらず、あっという間に返事をしてくれて、
「Aに、今日も会いたい」
まっすぐすぎる、そのメッセージに、
私の胸の奥が、また忙しくときめきだす。
廉くんから、こんなに素敵な言葉をもらえる日が来るなんて、
本当に、あの頃は想像もしていなかったから。
「ありがとう廉くん」
「私も、会いたい」
そう返しただけでも心が溶け出してしまいそうで、
「じゃあそっち行くわ」
そんな君からの返事ですぐに決まった、
私たちの、新しい夏の1ページ。
「待ってるね」
「おん、すぐ行く」
思わずケータイを握りしめて、この気持ちを抱きしめる
窓の外、今日も眩しいほどの太陽が顔をのぞかせていて、
自然と持ち上がる、口角
今日君は、
どんな夢を、見せてくれるのだろう。
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詩愛(プロフ) - janiizさん» はじめまして！お読み頂きありがとうございます〜！繋がりに気がついて頂けて何よりです^^ そう言って頂けてとても幸せです私はT_T 今後もどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年5月28日 0時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
janiiz(プロフ) - はじめまして！私は最初、海人くんとの海のお話を読んでいたので、繋がっていることに気づいた時は凄く驚いきました！！どのお話も本当に面白くて、感動して最高です！詩愛さんのお話大好きです！これからも頑張ってください！ (2021年5月25日 19時) (レス) id: ee18d358d6 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - しぃたんさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！またよろしくお願いいたします^^ (2021年1月17日 10時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃたん(プロフ) - もう、めっちゃ泣きながら読んでました。続き読んでみたいです。 (2021年1月16日 23時) (レス) id: 92dc000457 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - lemon09さん» ありがとうございます！笑 今日はゆっくり休んでくださいね！ (2020年12月20日 11時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年9月29日 22時
