146 ページ48
・
そういえば気になることはたくさんあった
なぜか少しそわそわしてた紫耀の態度とか、
廉が口走った、ライバル、とか。
電車の中、私の横に座る紫耀をちらりと見る
その表情はやっぱりちょっと緊張気味で、
それでいて幸せそうで。
もしかして。いやでもそんなことないよね。って、私の頭の中には、たくさん疑問がひしめき合っていた
お互いあまり会話をしないうちに、私の最寄り駅に着いてしまう
「じゃあ、紫耀、」
「あ、ねえあのさ、」
席を立とうとした私の腕を、
君が、とっさにつかんだ。
「どうしたの、」
「…………あの、動画、を、」
「あ、うん、ちゃんと家着いたら今日の送るよ？」
つかまれたところが熱い
そう答えたけど、紫耀はまだ何か言いたそう
「そうなんだけど、そうじゃなくてさ、」
そこで電車のドアが開いて、
「紫耀、私降りるよ。また明日ね」
君の手を初めて振り切って、電車を降りた
ドアが閉まって、紫耀を載せた電車がホームを出て行く
腕が、やけどしたみたいに熱くて、痛くて
どうしちゃったんだろう、私こんなに、
こんなに紫耀のこと、意識してたっけ？
少し戸惑いながら改札を抜けて、家に向かって足を動かした
その日の夜、寝る支度を済ませた私は、
紫耀に、約束通り今日の動画とメッセージを送った
「今日の、送ったよ」
するとすぐに返事が返ってくる
「ありがとう」
これで終わりかな、と思っていると、
「A、カメラロールちゃんと見た？」
そんな不思議なメッセージが、届いた
カメラロール？
「ちゃんと見てると思うよ」
「いやもっとちゃんと見てよ」
なんだろう、変なの。
そう思いつつも、少し気になってカメラロールを開く
画面をスクロールしていくと、君が撮った動画のサムネイルがたくさん出てきた
文化祭の日、渡り廊下で4人で撮ったやつとか、
廉の家で撮ったタイムラプスとか、
どれも素敵で、いつ見ても嬉しくなるんだ
紫耀の言葉を疑問に思いながら、そのままゆっくりスクロールしていくと、
ふと、指が止まる。
「………なに、これ、」
カメラロールの中、ひとつだけ、見たことのない動画があった。
君がたったひとりで映っているサムネイル
震える指で、
私はゆっくりと、その動画を再生した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1480人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - kaiさん» わ〜嬉しいですありがとうございますT_T 引き続きよろしくお願いいたしますね^^ (2020年6月14日 21時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - かなこさん» こちらこそありがとうございます！引き続きよろしくお願いいたします、頑張りますね！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - さくらえびさん» いつもありがとうございます！嬉しいです……引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - はるさん» かわいいですか！よかった！ありがとうございます、引き続きよろしくお願いいたします^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夜木さん» こちらこそありがとうございます！！引き続きよろしくお願いいたします！^^ (2020年6月14日 21時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2020年5月29日 20時
