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・
君が2回目に、私の家に来た日。
ーーーーー
「おはよう、A」
高2のある平日の朝、リビングに入ると両親から暖かく挨拶をされた
だけど、
「おはよう、ちょっと熱測りたい、」
今朝の私は少し、身体がだるい感じがする
「あら、大丈夫？」
お母さんが心配そうに体温計を渡してくれた
「う〜ん、ちょっと後で病院行こうかな、」
「じゃあ、学校はやめておく？」
「あー…」
体温計を脇に挟みながら、少しだけ考える
学校に、行かない。
その選択肢は、君に会えないことを意味する。
そこでピピっと音がして、体温計の表示を慌てて見た
「何度だった？」
「………38、」
「あら〜…」
お母さんが眉毛を下げるほど、明らかに、熱。
「学校に連絡しておくから、病院終わったらすぐに寝なさいね」
「……う〜ん、」
「無理してもしょうがないわよ？」
「……ん〜、うん。そう、だよね、」
こくんと頷くと、頭がずきんと痛む
やっぱり、今日はお休み、しなきゃなのかな。
諦めて部屋に戻って、病院に行く準備を始めた
・
病院で受けた診断は、ただの風邪。
もっと重い病気じゃなくてよかった、とは思えないほど、しんどいけど。
「ただいまー…」
家に着くと、誰もいなかった
まあもちろん、仕事に行ったんだろうけど、なんとなく寂しくなる
ひとりでなんとか潜り込んだベッドは、少し冷たかった
「………」
真っ白の天井を見上げると、なぜか君の顔が浮かぶ
毎日会っていたからなのかな。
それとも熱のせいかな。
君に、会いたくなってしまった。
かなりこじらせた風邪は、結構しんどいもので。
なんとなく自分の体だけではなくて、心まで弱っているように感じる
だからきっと、君に会いたくなるんだよね。
そんな風になんとか言い訳をして、何度目かわからない寝返りを打った
「………神宮寺くん、」
思わず小さく、その名前を呟いてしまう
私が君に会いたいのと同じくらい、
君も私に会いたいのかな。
「…………」
そんなこと、あるわけない、か。
いよいよ身体が重くてたまらなくなってきた私は
君のことを考えたまま、ゆっくりと布団に沈み込んだ
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年2月19日 15時
