蒼く、染まれ Y.J（２） (ページ15)

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「…………？」

寒い空気で、意識が戻る

目を開ければ、朝。自分のベッドの上。掛け布団は、かけていなかった。

神宮寺くんが昔この部屋に来た、あの日の夢を、見ていた気がする

「……いった、」

起き上がろうとすると頭が痛んで、お酒を飲んだことを思い出した

そっか。昨日、私、

神宮寺くんに、家まで送ってもらったんだっけ。

それで、そのあとはあまり覚えてないけど、

多分自分で、ベッドまでたどりついた、んだよね？

もしかしたら。なんて、部屋を見回すけど、君の姿はない

″その言葉の意味、わかってる？″

昨夜の君の声が、ぼんやりとよみがえる

ああ、そうだ。

君は、昨日部屋までは来なかったんだ。

なんとなく、寂しい気持ちになった私は、

ポケットをまさぐって、ケータイを手にした

昨日のこと、謝った方がいい、よね。

記憶は曖昧だけど、面倒をかけちゃった気がするから。

「…………」

でも、なんて打とう。

君とのトークルームを開いたまま、しばらく考えてしまう

すると突然、パッと神宮寺くんからメッセージが届いた

「わ、」

急いで画面を消すけど、多分意味ない。すぐに読んだことがバレたと思う。

「………はぁ、」

恥ずかしいけど、こればっかりはしょうがない。

ケータイのロックを解除して、またトークルームを開く

「おはよう、酔いは覚めた？笑」

君からのメッセージ

なんとなく笑っている君が、想像できた

「あ、読んだ」

立て続けに送られてきた文に、思わず苦笑い

「ちょうど見てたの、おはよう」

急いでそんな返事を送る

ちょうど、っていうか。ずっと、だけどね。

「そうなんだ笑」

神宮寺くんは、いつも通りだ。

昨日、なんだか微妙な空気になった私たちなのに。

気にしてないのかな、と思いながらも。やっぱりきちんと謝りたくて。

「神宮寺くん、昨日迷惑かけてごめんね」

送った瞬間、すぐに読まれる私の言葉たち

「全然気にしなくていいよ。俺もなんか出しゃばっちゃってごめんね？」

″彼氏面、しないで″

私昨日、ひどいこと言っちゃったな。

小さく後悔している私に、またメッセージが届く

「今日めっちゃ寒いから、風邪ひかないようにね」

風邪、か。

その言葉に、

私はまた、君との日々を、思い出す。