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神宮寺くんに、バトンを渡す。
その事実になんとなく緊張して、その日からあまり君と話せなくなってしまった
体育祭の練習が始まった頃のある放課後、帰る支度をしていると、
「Aちゃん」
神宮寺くんが、私のところに来た
「練習、おつかれ」
「あ、うん、神宮寺くんもおつかれさま」
どうしよ、緊張する
「………ねえ俺なんかした？」
そんな風に言いながら、君が不安そうに私の顔を覗き込んだ
「最近あんまり話してくれないからさ、なんかしたなら謝りたくて」
君の言葉に、急いで首を振る
「ううん、違うの！ただちょっと……」
君は優しい眼差しで、私の次の言葉を待った
「……ちょっとなんか、緊張しちゃって、」
君と目を合わさずに、伝える
すると、
「………そっか、ありがと」
「………？」
見上げた君が、照れたように少し微笑んでいた
「そういうの、ほんと嬉しい」
「………どういうこと？」
「だって俺をちょっとは意識してるってことでしょ？」
「え、」
「……じゃあもっと、意識させちゃうね。俺のこと」
爽やかに笑いながら私を見つめる君
そんなこと言われて、もっと意識しないわけがないでしょう
君は本当に、この時からずるかった。
「……もう、帰る？」
神宮寺くんは、腕時計をちらりとみて聞いてくる
「あ、もう少しだけいようかなって」
「そっか」
君はしばらく考えると、
「……もし良かったらAちゃんの時間、俺にちょっとくれない？」
少し緊張気味に、私を見上げた
「2人でさ、バトン渡す練習しよ？」
さっきよりも緊張して、さっきよりも君を意識していることに気が付きながら、
「………うん、いいよ」
私は、うなずいた。
怒られそうだけど、人のいなくなった廊下で練習を始めた私たち
やっぱり下手くそな私は何回かバトンを落としてしまった
「あー…、ごめん」
「全然。大丈夫だよ」
落とせば落とした分だけ、体育祭への不安がつのる
「……私、足引っ張っちゃいそう、」
「いやいや、大丈夫だって」
「足も、遅いし」
「でも一生懸命走ってるじゃん。それに心配しないで、」
「俺がちゃんと、繋ぐから」
爽やかに笑う君のその笑顔は、
いつも私を、安心させてくれた。
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詩愛(プロフ) - _to_shoさん» いつもありがとうございます！切なく共感していただけて本当に嬉しいです^^ 続きもお楽しみに！ (2020年2月15日 15時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 選ばなかった未来が、少し気になるの、、、切ないです泣。共感100パーセントです泣 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 楽しんでいただけて何よりです！がんばって更新してまいりますのでよろしくお願いします！！ (2020年1月31日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
_to_sho(プロフ) - 俺にちょっと時間ちょうだい、のとこでキュンキュンマックスです！！長いお話逆にありがとうございます！！ずっとドキドキできるとか最高です！よろしくお願いします！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 92c3943f3d (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - _to_shoさん» 嬉しいです〜！ありがとうございます！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2020年1月13日 13時
