31 ページ31
・
試験は、長いようであっという間で。
あと何時間、そうやって数えていたのに、気がつけば最後の科目にたどり着いていた
周りの子たちはとても、なんていうか、S大学を受けるのにふさわしく、頭が良さそうな子たちばかり
何度も不安になって、帰りたくなったけれど、そんな時間もあと少し。
今日まで私はやってきたんだから、だから大丈夫
"信じてるで"
君の言葉が頭によぎって、
「回答、はじめ」
最後の闘いが、今始まった。
・
「回答、やめ」
パッと鉛筆を手放す。終わった。終わってしまった。
正直、出来はよくわからない
ただひたすらに、考えて、解いて。終わった瞬間に安心感からか気が抜けて、忘れてしまった
試験官が枚数を確認するのをただ無心で眺めていた
ああ、本当に終わっちゃったんだ
試験官の指示をうけて、すぐに準備を始めた
早く、会いたい。君に報告したい。
半ば走るように教室を飛び出して、校門まで急ぐ
君は校門にもたれて待っていて、通り過ぎる受験者たちが、その圧倒的な見た目にどんどん視線を奪われていて
「…永瀬！」
そんな注目を一新に集めている君が、私を待っている。そのことだけでも、とっても嬉しいのに、
「…A」
私の声にすぐに顔を上げて駆け寄ってきて、
「おつかれさん、帰ろ」
そう言って私の顔を覗き込むから、安心して、涙が出てきちゃいそう
「泣くな泣くな！発表の時までとっとき！」
少し笑いながら私をなだめる君と、肩を並べて駅まで歩き出す
「永瀬、来てくれてありがとう」
「いいんやで」
はいって出された手の上には、永瀬が温めておいてくれたカイロ
ねえ、本当にさ、
「どうしてただのライバルにここまでしてくれるの、」
そういうと、う〜ん？と少し面白そうに笑って
「それは俺にとってAが、ただのライバルってだけの存在やないから」
それって、どういうこと？
「ほら、はよ歩け！」
そんな意味深な言葉を発した割に、君はまた余裕そうで
2人で白い息を吐きながら、
君の言葉の意味に淡い期待を残しながら、
私たちの第一志望の受験が、終わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 539人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩愛(プロフ) - ぴーさん» こんばんは！ありがとうございます…！頑張ります！引き続きよろしくお願いします。 (2019年2月4日 22時) (
レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴー - とてもおもしろいです。更新楽しみにしています！！これからも頑張ってください！！ (2019年2月3日 19時) (レス) id: b972a36c14 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 夕美さん» こんばんは、ご指摘ありがとうございます。外していたつもりだったのですがうまくできていなかったみたいです…。失礼しました。 (2019年1月25日 23時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう。 (2019年1月25日 23時) (レス) id: b6266b0de2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2019年1月25日 23時
