いとほし、かなし。【 KZ 】

いとほし、かなし。 ページ3

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取り敢えず小テストについての愚痴を、古典が出来るクラスメイトに零してやった。
そしたら、其奴は何て言ったと思う？
「授業聞いてたら簡単だよ」

授業がロシア語で行われてんのかって程、授業がわかんねーから小テストが解けねえんだよ！
そう思ったが、俺は苛立ちを隠して黙っておいた。流石俺。

序に疑問もぶつけてやった。
何故『かなし』が『悲しい』ではなく『可哀想』という訳になるのか。
そしたらロシア語で返事が来た。


「『かなし』には色んな意味があるんだけど、この場合、『かなし』の上に『いとほし』があるだろ？『いとほし』は『気の毒』『可愛い』『辛い』っていう意味があるんだ。
ここからはもう、ただの国語だ。
『翁を、「いとほし、かなし」と思しつることも失せぬ』ってことは『いとほし、かなし』って翁に対して思っていたことになる。翁を可愛いって思ってたのはおかしいだろ。辛いって思ってたのも変だ。かぐや姫が辛いと感じていたのは翁じゃなくて、翁と離れることだからね。
だとしたら『いとほし』は『気の毒』という意味になる。
そして本題の『かなし』の意味だけど、直前の言葉が『気の毒』ということを踏まえて考えてみてよ。
『気の毒』と『可哀想』って殆ど同じ意味なんだ。
だから『かなし』の意味は『可哀想』になるんだよ」

すまん。
何言ってんのか全然分かんねえ。




　

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