とある少年のお話

part7 ページ7

家に帰ると、クロが迎えてくれた。

でも、

『うるさいクロ、あっちいけ！ほら！』

『いかないなら、強制するだけだ！』

そういって、僕はクロに暴力を振るうようになった。

学校でのいじめ？がエスカレートしていくにつれて、クロに対する暴力もエスカレートしていった。


………ある日、クロは衰弱していた。

病院には連れて行かない。

だって、僕のしたことがばれると怖い。

結局、ﾋﾄは、自分の感情を優先し、ほかのもののことは後回し。


おおきな、間違いだった。


後日、クロは衰弱死した。

助けられなかった。

この事態を、どうにかできなくてごめん。

暴力振るってごめん。

僕みたいな酷いﾋﾄが、クロをもらってごめん。

僕が、産まれてきたせいで、クロの運命が変わったんだよね。


本当に、ごめん。

庭に木の十字架と、黒いバラをおいた。

どうしてなのだろう。

僕の心は、開放感がすごい。

もう、ここで死んじゃいそうだ。

それくらいの開放感と、達成感と、同時に悲しみであふれている。

僕の周りはみんなそうだ。

僕をおいて、いっちゃうんだね。

あのときの夢、あのときの真相。

今では、はっきり思い出せる。

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