劣化コピー【瀬名泉】

コピー16 ページ17

真side




「ウッキ〜今日変だよ？」








明星くんに言われて気づいた。


そうかな？と苦笑いで返す。


明星くんはそうだよ〜！と元気よく言う。


その姿は純粋な子供のようだった。





「それで、どうしたの？」





なにかあったんでしょ？と明星くんがさっきまでの明るい、ふざけ半分の口調をやめ、真面目なトーンで聞く。





「ん〜と……最近Aちゃん元気なくてね………」


「Aが？」


「うん、なんか……避けられてる気がする………」





登下校も別々だし、家での会話もぎこちない。


なにより……





『真くんはもう十分頑張ってるよ』





あの時の言葉と表情が……頭から、離れない。


Aちゃんのあんな表情を見たのは初めてだった。


僕はAちゃんのことを何も知らない。


僕は、兄失格なのかな？




「ど〜しよう？！明星くん！ついに僕Aちゃんに嫌われたかな？！」




そしたら僕立ち直れない。


Aちゃんが、大好きだから。




「あはは☆ウッキ〜って意外とシスコンだよね！」


「そうかな？」




シスコン……そう言われたらおしまいなのかもしれない。


僕はAちゃんが大好きだ。


だから兄として精一杯Aちゃんが元気になるよう努力する。


また、昔のように笑ってくれたら僕は幸せだから。


こんなくさいことを思うのはらしくないけど。


ただ、それだけ。




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