劣化コピー【瀬名泉】SECOND

コピー72 ページ34

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｢……Aさんはシェイクスピアの”ロミオとジュリエット”を知っているかな？｣




真緒くんの一件から数日がたった。

私は特に代わり映えのない生活を送っていた。

学校は気まずくて行っていない。

そんな私を心配したのか、日和さんやジュンくん、凪砂さんや茨くんが声をかけたりしてくれた。


そして今は凪砂さんと話している。




｢はい、知ってます……でも話の具体的な内容までは………｣




確か、北斗くんに誘われて演劇部の公演を見たことあったな。

でもあれはリバーシ？だから多分シェイクスピアの話とは違うんだろう。




｢……ロミオとジュリエットは一般的には悲劇だよね｣

｢……でもふたりは天国で幸せになった｣




ロミオとジュリエットは悲喜劇ということだろうか。

私はさらに凪砂さんの話に耳を傾けた。




｢……現代的な言葉でいうと………｣


｢……ハッピーエンド、バッドエンド…そして｣




”メリーバッドエンドだね”




｢メリーバッドエンド……｣




聞き慣れない言葉を思わず口に出す。

ハッピーエンド、バッドエンドとくるなら、メリーバッドエンドは……



ロミオとジュリエットのように、バッドエンドにも見えて、ハッピーエンドでもある……ということだろうか。




｢……Aさんは、どの結末が好きかな？｣









｢私は＿＿｣

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