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きっといつか。きっと。(黒崎一護) ページ3




「助けに来たぜ。ルキア。」


最近読んだ少女漫画を思い出した。
そこに出てくる男の子はとてもかっこよくて
主人公のヒーロー的な存在だった。

私は友人を助けてくれたオレンジ髪の青年を
そのヒーローに重ねた。


「かっこい…」


この世にもヒーローがいるなんて。


私はこの瞬間、ヒーローに恋に落ちた。

______________________________


「ねえ、一護!!いつになったら私と付き合ってくれるの!?」

「だーかーらー!無理だって言ってんだろ!」


私はそのヒーローがこちらに来る度に
腕を組んで力いっぱい絡みついて
アプローチをした。

でもヒーローはそんな私の頭に手を置いて
自分の腕から剥がそうとする。


「しっかしお前も飽きないよな」

「一護に飽きることなんて一生無いね!」

「どんな自信だよ…」


ねえ、そんな子供をあやすみたいに笑わないで。
穿界門にお出迎えする度に喜ぶ私に、"「今日も元気だな」"って言いながら頭を撫でないで。

私、子供じゃないんだよ。一護よりもうんと年上なんだよ。
ルキアより胸もあるよ?織姫には負けるけど…


「一護…なんで私じゃダメなの?」


現世に行った日、一護にそう尋ねた。
いつもなら"「何言ってんだお前」"って言うのに
この日は違った。

真剣に考える顔。私を対等な存在として考えてくれてる顔。

胸が高鳴った。嬉しさで心臓が暴れ回る。

一護は頭を掻きながら私にぽつり話してくれた。


「なんつーか、ダメって言うよりは、俺がまだよくわかんねーんだよ。」

「どういうこと?」

「恋とかまだよくわかんねーんだよ。んな中途半端な気持ちでお前と付き合うわけには行かねーだろーが。」


本当に一護ってクソ真面目だ。
クソみたいに真面目でクソみたいに真っ直ぐで…

そんな所が、いや、そんな所に

私は…惚れたんだ。


「…じゃあ一護が恋を知るまでアプローチし続けようかな!」

「なんでそうなんだよ!…まあ、嫌じゃないけどな。」

「一護………!」


真面目なことを言い出したと思ったら
照れくさそうな顔をして"「嫌じゃないけどな」"って
……可愛すぎかよ!


「だーーーいすき!!!」

「うお!?ごら!抱きつくなっつの!!」

「一護…大好きだよ?」

「んな声出しても無駄だ。」


ねえ一護、ありがとう。

私のことを対等な存在として考えてくれて。


「一護、大好き。」

「はいはい。」

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作者名: | 作成日時:2020年1月12日 15時

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