待って (ページ28)

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分かんないよページ28

あれから本当にAの記事を見なくなった

週刊誌なんかで、バレー引退？！恋愛に夢中。とかいう記事まで

それを見る度、胸が酷く痛む

今、何をしてるんだろう、何を見て、何を思ってるんだろう、そんなことばかり考えてしまう

日本に帰る時に連絡してもいいんだろうか、とか

日本に帰ってきたが全日本の練習にはAはいない

石川「A最近どうしてる？」

高橋「最近は割と元気になってきましたよ」

やっぱり高橋には会ってるのか

石川「そっか、ならいいや」

高橋「俺から言いましょうか？」

石川「いやいいよ。Aが決めたことだし苦しめたくない」

高橋「……そうですか」

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高橋「A」

今日は高橋先輩と母校に挨拶というかなんと言うか

あ「懐かしいなあ」

高橋「コーチが話したいって」

あ「行きますか」

体育館に行くと練習しているバレー部。そしてわたしたちに気づいたのか練習を一時中断する

コーチ「A！高橋！よくきたな！」

部員の人達に挨拶をされ、わたしたちはミーティングルームに場所を変える

コーチ「話は聞いた」

あ「話？」

コーチ「バレーから離れてるみたいだな。怪我じゃないんだろ？」

あ「あぁ、これは自分の中の問題で」

コーチ「オリンピック見たぞ。大方、高さにはどう足掻いたって勝てない。と思っているだろ」

あ「どんぴしゃ」

やはりコーチはわたしが考えていることをわかっている

コーチ「マリーアントワネットは言った。パンがなければケーキを食べればいいじゃないの。

高さななければ他で勝てばいいじゃないの」

あ「はは、懐かしい、その偉人の例え」

昔からコーチはこうだった

勝てないなら勝つまでやろう、ホトトギス、とか言ってたしなぁ

偉人の名言の例えをやっていた

なぜだかポッカリ空いた穴にしっくりハマったその言葉

コーチ「スパイクを打って、ブロックが来るならちゃんとコースを見ればいい。スパイクで点を取るんじゃなくて、お前の武器、サーブで取ればいい」

あ「ふふ、コーチ。ありがとうございます」

高橋「じゃあ俺たちもう行きます、お邪魔しました」

コーチ「いつでも来てくれ！」

そして2人で新幹線で帰る

あ「なんで連れてきたのさ」

高橋「気分転換？」

あ「なったよ、ありがとう」

高橋「ならよかった」

あ「わたしまた頑張ってみる」

高橋「……！！あぁ！」