アネモネの吻鞘【禪院直哉】 (ページ11)

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その罪が僕の罰だページ11

あ「直哉…っ！！！」

気を失っている、その術式は何かわからなかった

呪霊はそれが最後の呪力だったのだろう。自爆技というべきか。最後に置き土産の厄介な呪いをして消えていった

直哉を揺さぶっても起きない

あ「…へ？」

胸に手を当てたら音がしなかった。気を失ってるだけかと思ったら心臓が止まっていた

やばい、、心肺蘇生を直ぐに始めた。授業で習ったんだ。出来るだけ早くに処置しなければ、時間が経てば経つほど息を吹き返すことは皆無だと

あ「直哉…！！」

ずん、ずんと、心臓マッサージをしても彼の反応はピクリともしない

あ「ど、どうしたら…」

その時何者かの生得領域が周りに拡がった

あ「…へ？」

そこには私がいたのだ。私の偽物…？

偽物「さぁ代償を払え。そうしたらそいつは助かる」

あ「どういうこと」

偽物「縛りを課せ。自分に。」

あ「…わかんない…！！何でもやるから助けてよ…！」

偽物「それならば、愛だ。お前から愛の感情を奪う。もしそれで人を愛してしまった時、その愛した人間は死ぬ。それで縛りの制約は成される」

あ「もうそれでいい…いいから…！はやく！！！」

誰も死なせたくなかった

呪術師は死が多い職業。今までも先輩たちが沢山死んで行った。それを目の当たりにして悲しさが焼き付いた。これ以上誰も、犠牲にはしたくなかったんだ

あ「…？」

起きたら京都校の医務室だった。窓からは月明かり。夜か。夜まで寝ていたのかな

ベッドの横にある椅子に直哉が座って寝ている。よかった生きてた

あ「直哉、おはよ」

と彼を揺さぶる

するとパチッと開いため

直哉「Aっ！！どっか痛いとこある？！」

あ「ないよ、無傷」

直哉「俺、なんも覚えてへんねん。。すまんかった……危険な目に合わして…」

あ「呪術師なんだから危険は付き物だよ。てか覚えてないの？」

直哉「あぁ、」

あ「でもよかった。呪い消えてるみたい」

直哉「呪い？」

あ「そう、呪霊の自爆技でね、ポケモンで言うところの大爆発かな」

直哉「なんなんそれ。」

あ「まぁ無事で何より」

直哉「お前1週間安静やから」

あ「どこも怪我してないし悪くないよ」

直哉「安静」

あ「ほい」

それから1週間、彼は毎日欠かさず医務室にお見舞いに来た

ピンピンしている私のお見舞い

あ「寿司食いた」

直哉「療養中やからナマモノはあかん」

あ「どこも悪ないねん」

直哉「あかん」