20 / 優しさの正体 ページ21
side A
「……？？」
どこかから、声が聞こえる。
見守るしかないと結論付けた俺らとは違い、
リーダーは相変わらずずっと心配そうで。
まぁ、4人一致させなきゃいけないわけじゃないから
俺らもリーダーも、お互いに何も言うことはしなかったんだけど。
リーダーは少し不服そう。
言ってくることはないけれど、雰囲気で伝わってくる。
もちろん俺らも心配だけど
誰しもストレスはあるし、人それぞれ対処法が違うから。
……まぁ、松潤が対処出来てるかは、少し気になるけれど。
「……いや、長くない？」
ずーっと聞こえる男の人の声に、少し気になってくる。
トイレから出てその声のほうへ赴くと、そこは俺がさっき居た場所。
音を立てないように中へ入ると、
声の主はプロデューサーで、その声を受けているのは松潤。
プロデューサーは眉間に皺を寄せて、思うがままに苛立ちをぶつけてる。
「え、いやいや何事、？」
「あぁ、相葉くん…、」
さっきまで楽しく打ち合わせしてた場所が重苦しい雰囲気になっていて
近くで戸惑ってるニノに声をかける。
苛立ちを松潤に向けるプロデューサーを、
リーダーと翔ちゃんが宥めてる。
「……今日は、潤くんみたいで」
「や、それにしては言われすぎでしょ、何があったの？」
このプロデューサーは、自分の苛立ちを関係ない人にぶつけるので有名。
その日、たまたま狙いを定められた人がこうなるのはいつものこと。
俺もニノも、リーダーも翔ちゃんだって経験がある。
もちろん松潤もこれが初めてじゃない。
でも今日はどこか違う。
あまりにもヒートアップしすぎだし、受けてる松潤もちょっと滅入ってる。
「や、なんか潤くんがしたことが気に入らなかったみたいで…、あまりにも止まらないから、ふたりが宥めてんだけど…、」
「……あれ言い過ぎでしょ、」
彼の優しさが、気に入らなかったらしい。
あまりにもいろいろな人へ気を遣う彼の優しさを短所になるんだと
言葉を変えて何度もそう言うプロデューサーに、松潤の顔色がどんどん悪くなる。
あの人に八つ当たりされた人は数多く居ると思う。
腕はいいから仕事は多い。でもこの被害に遭った人は多いはず。
ただ、そのときは関係ないことを言われるから、単にしんどいだけ。
時間が経つのを待っていればいいだけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 262人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - Kazue Akasakaさん» コメントありがとうございます✨『らしい』という言葉がとてもうれしいです、、！楽しんでいただけるようにがんばりますので、ぜひお付き合いよろしくお願いします🥰 (2022年11月24日 14時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
Kazue Akasaka(プロフ) - こちらでのコメントは初めてさせて頂きます。ヲ伽さんらしい繊細なお話で続きが楽しみです。 (2022年11月23日 19時) (レス) @page5 id: fbdba45f48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年11月23日 18時
