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side S
そんな楽しそうだったふたりと
次のところへ。
昼食を終えてからいくつか回ったけれど、
彼はずーっと楽しそう。
もう最後かな。あと見てないのは屋上くらい。
絵があれば隅々まで見て、
オブジェがあればいろんな側面から見て。
彼の脳内を覗いてみたくなる。
潤「わっ、みてっ、つぎっ！」
「わ、すごい」
雅紀「わぁキレイ！」
彼がキラキラ目を輝かせる先には、
上下左右すべて鏡で出来た、淡い白色の空間。
繋いでいた手が離されて
するすると、吸い込まれるようにそこに入っていく彼。
和也「ふふ、楽しそう。ね、カメラ貸して、撮りたい」
珍しく俺らから手を離してひとりで行くもんだから
取り残された俺らは、少し彼を観察。
愛おしそうにカメラで撮るニノと
同じような顔をしてる相葉くんと智くん。
俺も、同じ顔してるんだろうな。
潤「くふふっ」
誰も居ない、鏡に囲まれた非現実的な空間で
くるっと回ってみたり、両手を広げて上を向いてみたり。
そんな彼を、俺らはずっと見守ってたんだけど。
穏やかな笑顔で出来た4人の空気感が、少し、変わる。
雅紀「……………なんか、やだな」
頷くしか出来ないのは、俺もニノも、智くんも同じで
こうだから嫌だとか、理由を言葉で述べるのは難しくて。
彼が本当に吸い込まれそうで
彼があの空間に閉じ込められているようで。
彼の持つ非現実的な儚さが、そんな感覚を連れてきた。
4人で共有する記憶のいつかを思い出させるようで
弱っていく彼を、目を覚まさない彼を思い出させるようで。
おいで、って
戻っておいで、って
いつか思っていた言葉を飲み込んだ。
彼が来るのを待つよりも
今は、彼の居るところへ、俺らが向かいたい。
潤「ふふ、みんないっしょ、」
俺らが来たことに少し不思議な顔をして
擦り寄る俺らに、うれしそうに微笑んで。
この子が纏う儚い空間は、あまり見たくない。
思い返したくない。
でもそれを忘れてしまえば
今この日に、この子が生きていることを当たり前だと思うのと同じ。
この子が今でも儚い空間を纏っていることを、悲観したくはない。
そこにはうれしいことも楽しいことも、輝くことも
たくさん存在してるから。
そこに在るのはすべて、この子が生きてきた証拠だから。
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ゆかり - 続きお願いします (2022年9月11日 22時) (
レス) @page17 id: c109875420 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - チョコミン党。さん» とてもうれしいお言葉ありがとうございます🥲普段当たり前のことを少しでも特別に感じていただけているのなら幸いです☺️木漏れ日で心が温かくなっていたらいいなと思います、、✨いつも読んでいただきありがとうございます✨ (2022年9月1日 18時) (レス) @page24 id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミン党。(プロフ) - 木漏れ日を読んでいて、いつも何気無く過ごし感じている事を文字という形になって理解してみると…何だか全く別の様に感じます。私は感じ取る事等が苦手なのですが、木漏れ日を読むと、5人とヲ伽様の言葉を読むと、スッと心に入ります。有難う潤くんヲ伽さん。🎂 (2022年9月1日 0時) (レス) @page27 id: 8558ed1b24 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - nyanさん» nyanさん、ありがとうございます💭一度深く感じたことって消えないですよね。なかなか言葉にできない、そして共感者が居ないそれを、木漏れ日が少しでも寄り添えていたらいいなと思います🍀 (2022年8月31日 3時) (レス) @page25 id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 何年経っても消えることはないそれ 。がメインで心に来ました。わかる人がいる。って救われます。 (2022年8月30日 20時) (レス) @page27 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽
| 作成日時：2022年8月2日 17時
