1080 / 心が満杯だから ページ19
side N
あれから一週間ほど経った今朝。
朝食を作ってくれてる相葉くんを他所に、
ダイニングテーブルの準備をしていると
背後で、ととと、って駆ける小さな足音。
潤「かずっ」
きゅ、って突然腹部に手が回ってきて、温かくなる。
「ふふっ、なぁに〜」
潤「かずっ、いっしょにおきがえしよー？」
「お、いいよ〜しよっか」
潤「あ、ようじしてた…？」
「んーん？大丈夫だよ、一緒にお着替えしよっか」
潤「うんっ」
腰から離れた彼の手を引いて、歩きだそうとすれば
くい、と手を引かれて
立ち止まる彼を振り向けば、ふるふると首を横に振る。
「ふふ、だっこしようね」
潤「んふふ、」
言葉ではまだ言えないときがあっても
態度で示せるようになったのはうれしい。
「はいっ、到着〜」
いつも着替えるのはソファの下。
そこで降ろそうと思って声を掛ければ、
足が腰に巻きついて離れない。
「ふふ、あらら？」
潤「あらら？？おかしいね〜、くふふっ」
目の前で広がる、にこにこかわいい笑顔。
「んふふ、くっつき虫さんだ」
潤「くふふっ、じゅんくっつきむしさんっ」
うれしそうにきゅって抱きついてくる彼を、
揺れながら抱きしめ返す。
まだシャワーと食べ物は難しいけれど
歩くことも話すことも問題ないし、2人での仕事だって出来る。
あの話をした時からの酷い分離不安は減った。
潤くんをひとりにすることなんてないから、
分離不安が完璧に消えなくても全然いい。
ただ、
ときどき聴こえてしまう ”ニセモノの俺らの声” は、
完璧に消えてほしいと願うもの。
潤「かずー？」
「んー？なぁに？」
潤「かず〜」
「ふふ、なぁに〜」
こてん、と肩に頭を乗せて
足が小さくゆらゆら揺れてる。
潤「かずはねぇ、どこかいかないって、ちょっと、わかるよ、」
突然始まったそれは、決して唐突ではなくて
母親が生きていることを話した日の、続き。
「うん、信じてくれてうれしいよ、ありがとう」
潤「かず、は………じゅん、どうぞ、しないね、」
「うん、潤くんのことどうぞしないよ」
潤「じゅんは……かずの、そばにいたい、」
「うん、」
潤「………いらないこに、もどりたくない、」
「うん、潤くん、」
あれ以来触れなかった。
この子がこの子なりに考えてるのはわかってたし、
俺らの声が聞こえてしまうこともあったから。
思った通り、この子なりに考えてた。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ぐりぐり姫ちゃんわたしもお気に入りです( 笑 )、なでなでしてあげてください！😂 (2022年1月19日 15時) (
レス) @page30 id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - ぐりぐり姫ちゃん何回見ても癒し。笑...ちゃんと感情を表に出せるようになった姫ちゃん。偉いね。すごいね。って猛烈に撫で撫でしたい。笑 (2022年1月19日 10時) (レス) @page47 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - nyanさん» ありがとうございます😭😭 (2022年1月18日 14時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» 舌足らずな姫ちゃんが好きで書いてしまいます🙈笑。 (2022年1月18日 14時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 続く限り読み続けますよ❤️ (2022年1月13日 21時) (レス) @page46 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2021年11月23日 17時
