木漏れ日より、愛を込めて -20-

873 / すべては、 ページ23

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翌日、智くんと雑誌の撮影で一緒なんだけど

2人とも潤の勉強の本とかを調べてるから

表情が厳しくなってるらしい。




”難しい顔して何調べてるんですか？” なんて

マネージャーやスタッフに言われる。




そりゃそうもなる。

せっかく潤が話してくれたんだから

今日すべて揃えてあげたくて、急いでる。




智「ねぇ翔ちゃん、こんなのも必要だと思わない？」

「ん？」




そう言って智くんに見せられたのは

小学校時代よく使った、おはじきなるもの。




智「潤ちゃん自分なりに努力はしててさ、それで難しいなら、聴覚だけじゃなくて視覚とか触覚も必要だと思うんだよねぇ」

「なるほど…そうだよね、
潤が目指す暗算は、頭の中で想像出来たら出来るかもしれないもんね」

智「うん、きっと一桁の計算だけでも出来るようになりたいんだと思うから」




そうしようか、って決めたところで

別の仕事のニノからも【おはじきは？】ってLINEが送られてきて。




「もしもーし、今大丈夫だった？」

和也『うん大丈夫、どしたの？』

「や、おはじきのこと。俺と智くんも今おはじきがいいねって話してたの」

和也『そうなんだ( 笑 )やっぱり視覚触覚も要るよね』

「うん、あとさ、問題集とか……そういうのは一旦置いてていいのかなぁと思ってる」

和也『そうなの？』

「うん、あの子の性格的に、あんまり型にハマらないほうがいいのかなと思って。
進み具合とか……ちょっと様子見てからで」

和也『そっか、そうね。わかった、そうしよう』




隣の智くんにも目配せすれば

うんうん、って頷いてくれて。

おはじき買いに行こう、って小声で言われた。




「あ、空き時間に智くんとおはじき買いに行こうと思ってる」

和也『あ、それ俺も行きたい。
そういうとこってなんか他にもいろいろありそうだし見ておきたい』

「じゃあ一緒に行く？合わせられそう？」




15時頃の空き時間なら被るだろうってことで

そのときに一緒に行くことに決まって。




それを潤と一緒に居る相葉くんにLINEで伝えれば、

【全部同じ色だと分かりにくいかも】って意見してくれて。




みんな、なんとかしてあげたいのは同じ。




ひとりでがんばっても出来なかった、って

悲しそうに伝えてくれたあの子が

出来るようになったときの笑顔を、想像出来るから。

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