08 / 見返りの必要性 ページ11
side S
彼に何があるのかは知らないし
俺に何があるのか、彼は知らない。
互いに探りなんてしないけれど
心配そうな目は向けられるし、向けてしまう。
「………翔ちゃんほら、人のこと考えなくていいから」
「そうだよ、ちょっと横になってな」
「いや…………、いい、」
目を瞑るのも少し怖くて断れば
すぐに察してくれる。
後処理だって
和がさっき済ませてくれた。
有難い。
俺はこの人達に、何年世話になってるんだろう。
「……………ごめんね、2人とも、……関係なかったのに」
「関係ないってひどいな、ゲンコツの痛みを分かち合った仲でしょ」
「ふふ、そうだよ。…………翔ちゃんが謝ることじゃない」
和の言葉に柔らかく賛同したかと思えば
次に堅く落とされた言葉。
つい視線を持っていかれてしまえば
そこには、その続きがある気がした。
──── 本当に謝らなきゃいけないのは、────
「………立てるなら口ゆすぎにでも行く？」
「そうね、行って戻ったらあっちも大丈夫でしょ、立てる？」
「うん、……………ありがと」
あの日から、ずっとそうだ。
和が上手く柔らかい道を作って
そこを智くんが綺麗に塗装する。
怪我人の俺は
そこを確認しながら歩くだけ。
″ありがとう″、なんて
在り来りの謝礼しか持っていないのに。
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櫻宮 - もちろんです！Part2も楽しみにしています！ (2021年9月20日 17時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！Part2でもぜひよろしくお願いします´`* (2021年9月20日 0時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 彼は彼らは何を思うのか何を感じるのか、続き楽しみです！ (2021年9月19日 21時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - いよいよ折り返し地点ですね。続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 最後の言葉を彼は分かっていた。だから彼は会いに来た。うーん、何だかなぁ。腑に落ちないというか何というか、、笑更新楽しみです！ (2021年8月26日 17時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2021年2月19日 17時
