560 / 包むもの ページ21
side O
潤「りーだ…っ、」
「ん、大丈夫…大丈夫だよ」
家に着いても
抱きついたまま離れず、ずっと不安そうに俺の名前を呼ぶ。
ソファを背凭れにして座り、
包むように抱きしめるけれど
彼の震えは止まらない。
病気のこともだけど
印象強いことは、嫌味なほど記憶に留まるみたいで。
彼の場合、やっぱり過去の経験も含めて
恐怖や不安は心にも記憶にも留まりやすいんだろう。
たとえ、病気だとしても。
「潤ちゃんこっち見て？」
潤「っ、ん…？」
彼の瞳に俺を映す。
「大丈夫、リーダー居るでしょ？
かずも、翔くんも、まぁも帰ってくる。
何も変わらないよ？怖いことないから、大丈夫」
潤「……………だい、…じょ、ぶ…」
「そう、大丈夫。ゆっくりしてようね？
不安になることなんてないよ、大丈夫だからね…」
彼の瞳に、心に語りかけるように囁くと
徐々に彼の速かった脈と、瞳の揺れが治まる。
不整脈にもならずに済んだ。
潤「…………りーだ…？」
「ん？なぁに？」
潤「………りーだ、すき…」
「うん、俺も潤ちゃん好き、大好き」
潤「……このまま…ぎゅって、」
「ん、ぎゅってしてようね」
上げた顔を下ろし、
再び、全てを預けるようにして凭れてくれる彼。
そっと抱きしめて、
トン、トン、と背中でリズムをとると
数分後、安心したような寝息が聞こえてきた。
彼を纏うものが
彼の心を覆うものが
大きく変わった。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - つかささん» 嬉しかったですね！読んでいただきありがとうございます´`* (2020年9月16日 21時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - 情報過多まじで嬉しすぎ！ 泣きそうになったもんー！←え？ 移行ご可愛い姫に会えるの楽しみ！ でも姫ちゃんどうなっちゃうのー！ 更新ファイトです！ (2020年9月15日 19時) (レス) id: 4e0d2c6273 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 覚える事が出来たら忘れてしまう。神様は意地悪ですね。彼から笑顔を奪わないで。貴方には笑顔がよく似合うから。ずっと笑っててほしいです。 (2020年9月14日 20時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 櫻宮さん» いつも嬉しいです( ; ; )ありがとうございます´`* (2020年9月12日 2時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 彼の笑顔がこれからずっと続くといいですね。 (2020年9月8日 21時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年8月16日 13時
