39 / 生まれるもの ページ41
side O
コンビニに入ると
人があまりいなかった。
バレなくて済むなぁ、なんて考えながら
ポケットの中で彼と手を繋いだまま、
アイスを選ぶ。
「あれ、相葉ちゃんなんだっけ」
「………相葉くん、…これ」
「あ、それそれ。で、潤は？」
「あ、えっと……」
少し焦りながら
申し訳なさダダ漏れで彼が選んだのは
その中で一番安いもの。
彼の中での、精一杯。
「ん、了解」
「…………ほんとに、…いいの？」
「いいんだって、ほら貸して？あとからあげクン選ぼ」
「うん…」
行方不明になる前に会った彼とは
180度別人。
俺らに遠慮していて
俺らにさえ怖さを抱いて
俺らから一歩引いて。
一体何が、
彼をこうしたんだろう。
「………ごめんね…？」
「いいの。ほら、手」
お会計終わり、再度謝られて
手を差し出すと、躊躇いがちに重ねられる。
それをそっとポケットに入れ直し
レジから離れると。
「あ、関ジャニ」
「……あ、ほんとだ…」
「へー、こんなのやってんだ、買ってやりゃよかったな」
色んな種類があるそのイベントにちょっと興味を持ち、
彼と一緒に見ていると
数人がコンビニに入ってくる。
それにふと視線をやった彼。
そのせいで
いつの間にかコンビニに人が多くなっていたことに気づいたのか、
キョロキョロとコンビニ内を見渡す。
きゅ、と
強く握り返される手。
「…っ、かえろ…」
「え？」
「かえろ…っ、かえろっ、」
「……ん、帰ろっか」
手を摩るように握り返すけれど
彼の速くなった鼓動が漏れ伝わってくるようで。
汗ばむ手と
もう片方の、フードを深く被り直す震える手。
異常な彼と
早歩きで家へ戻った。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 楓さん» わわわありがとうございます( ; ; )めちゃくちゃ嬉しいです、、！ (2020年8月17日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ヲ伽さんのお話、本当に好きです(; ;)更新楽しみにしています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: 8b170ae239 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 嵐華さん» いつもありがとうございます( ; ; )嬉しいです、、！ (2020年8月10日 2時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
嵐華 - ヲ伽さんの紡ぐ文章に惹き付けられます。大好きです。次の更新も待ってます！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: fc50a29d39 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ナナさん» めちゃくちゃ嬉しいです、、！ありがとうございます´`*！楽しんでいただけて幸いです(*^^*) (2020年8月8日 20時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月6日 19時
