31 / 濡れた道 ページ33
side O
家を飛び出た。
【家の前に居た、俺んち来て】
名前はあげられずとも
すぐにわかったから。
その後も、
誰も返信することはなかった。
そんな余裕なんてなかったから。
翔ちゃんの部屋がある角を曲がれば
そこには、相葉ちゃんとニノの姿。
「リーダー…」
「……押した？」
「たぶんもうすぐ出てくる…」
そんな話をしてると
メッセージの受信を知らせる通知音が
3つ同時に鳴る。
【開いてる】
目先のドアノブを引けば
簡単に開く扉。
視界に移った廊下は
雨が降ったように濡れていた。
「………びしょ濡れ？」
ニノの言葉に3人で顔を合わせ
リビングへと進む。
するとそこには、
バスタオルを頭から羽織り、ソファに座る松潤と
そんな彼の肩を抱き寄せながら摩る翔ちゃん。
未だ水が滴り落ちる彼が
そっと俺らを視界に映す。
揺れる瞳から
一筋、涙が伝った。
「……………っ、」
もどかしくて苦しくて
複雑で愛おしくて。
本能のまま彼を抱き締めれば
それは他の2人も同じだった。
身体を離せば、
また俯いてしまう彼。
「……………潤、風邪引くから風呂入っておいで」
風呂が沸いたのを知らせるメロディーが鳴り
翔ちゃんがそう言うと、コクリと頷いて立ち上がる彼。
でも、
その身体はグラリとフラついた。
「………っと、……潤くん、俺支えてるから入ろう」
瞬時に支えたニノがそう言うと
また、コクリと頷く。
意思がないみたいだ。
「……潤、湯船に浸かるだけでもいいから」
「ゆっくり入っておいで潤、」
松潤、と
どこか呼べる雰囲気じゃなくて。
表に立つ人間だと、
今は自覚させたくなくて。
俺も相葉ちゃんも、
若い頃ふざけて呼んだ呼び名を使った。
ニノに連れられてリビングを出て行く彼を見送り
風呂場が開いた音を確認してから、
翔ちゃんの方へ向き直る。
「…………何か話した？」
「いや…、……翔くん、ってそれだけ」
「そう……聞かない方がいいね、」
「今夜は順番に起きて見てようか、」
「ん、そうしよう」
彼から目を離せなさそうだと判断して
腹ごしらえを拒んだ彼を見て、
夜通し交代で、スヤスヤと眠る彼を見守った。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 楓さん» わわわありがとうございます( ; ; )めちゃくちゃ嬉しいです、、！ (2020年8月17日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ヲ伽さんのお話、本当に好きです(; ;)更新楽しみにしています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: 8b170ae239 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 嵐華さん» いつもありがとうございます( ; ; )嬉しいです、、！ (2020年8月10日 2時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
嵐華 - ヲ伽さんの紡ぐ文章に惹き付けられます。大好きです。次の更新も待ってます！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: fc50a29d39 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ナナさん» めちゃくちゃ嬉しいです、、！ありがとうございます´`*！楽しんでいただけて幸いです(*^^*) (2020年8月8日 20時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月6日 19時
