11 / 取り繕いの確証 ページ13
side A
忘れようと思った。
いや、
それが暗黙のルールになった。
4人での仕事があっても
まるで最初から4人だったような雰囲気。
彼の話はしない。
無期限療養と取って付けたような理由は
みるみるうちに世間に拡がって。
松潤元気？なんて聞かれた際には
笑顔で、「元気ですよ」なんて答える。
姿を見てさえもいないのに。
存在すると自覚してしまえば
傍に居ないことを自覚しなければいけないから
それが嫌で、忘れたように振舞っているのに。
嵐という空間は
まるで影絵のように、
創られた笑顔が4つ浮かぶ場所になった。
それでも、
それでも。
「もう3人居る？」
「はい、揃ってます」
どうしても、
彼が傍に居ないことを
自覚したくない。
自覚したくないんだ。
自覚したく、ないのに。
「…………っ、」
″ 嵐様 ″ と書かれた楽屋の張り紙。
その扉を開けたときに
俺を迎えてくれる人が3人しか居ないこと。
「え、相葉くん、」
「ちょ…、どうした？」
「相葉ちゃん？」
俺がそれに耐えられるのは
たったの1ヶ月だった。
「………っ、お願い、」
頬に流れる何かには知らないフリをして
3つの瞳を見つめる。
滲む視界。
心が痛い。
ねぇ。
貴方もこんなふうに、泣いた？
「…………探そう、…っごめん、耐えらんないから、」
「……っ、」
「…………戻ってくる確証なんてないでしょう…っ、」
1か月前のあの日から
前向いた振りして
その事実に見て見ぬふりをしてた。
一番、向き合いたくないものだったから。
彼を待とう、なんて
そんな生温い言葉
嘘で塗り固めた言葉。
待てるわけがない。
耐えられるわけがなかった。
彼が居ない1ヶ月が
永遠のように永かったんだから。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 楓さん» わわわありがとうございます( ; ; )めちゃくちゃ嬉しいです、、！ (2020年8月17日 23時) (
レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ヲ伽さんのお話、本当に好きです(; ;)更新楽しみにしています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: 8b170ae239 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - 嵐華さん» いつもありがとうございます( ; ; )嬉しいです、、！ (2020年8月10日 2時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
嵐華 - ヲ伽さんの紡ぐ文章に惹き付けられます。大好きです。次の更新も待ってます！ (2020年8月10日 1時) (レス) id: fc50a29d39 (このIDを非表示/違反報告)
ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ナナさん» めちゃくちゃ嬉しいです、、！ありがとうございます´`*！楽しんでいただけて幸いです(*^^*) (2020年8月8日 20時) (レス) id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヲ伽 -otogi-
| 作成日時：2020年7月6日 19時
