乞ウモリ (ページ5)

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beg.4 / 映るのは－A ページ5

「オファーがきたものなんですけど…番組内で、健康診断を受けるっていうやつなんです」

収録終了後、マネージャーが話があると言って俺らを集めた。

何かと思えば、オファーの話。

受けといてくれればいいのに、と一瞬思ったけれど、
確かにそういうのはやってこなかった。

「でもまぁ、いいんじゃない？受けといていいよ」

俺らは、ほとんどオファーは断らないから

リーダーが当たり前のようにそう言って、

ね？と俺らに確認を取る。

俺が一番に頷くと、

翔ちゃんもニノも頷いた。

「…や、」

でも、ただ一人。

頷かなかった人がいた。

「……ごめん、俺…遠慮する」

「え？どしたの潤くん」

「いや…、俺、そういうの…あんまり」

彼がよくオファーを断るならまだしも

全くそんなことはないから、いつも冷静なニノまでもが驚いて聞き返した。

けれど、松潤の返事は曖昧で。

彼が珍しくオファーを断ろうとしてるから

わざとじゃないことは、すぐに分かった。

「ん、じゃあ…、3人だけとかにする？」

それは俺だけじゃなかったようで、

翔ちゃんがそう提案した。

彼が何故断ったのか、気になるけれど

オファーの内容をそのまま受けられないとなると、
マネージャーにまた話をつけてもらわなきゃいけないから

先に、どうするかを話し合う。

「そうだね、変に思われないように…、今忙しい人で言ったら、相葉ちゃんかな？」

「うん？分かんないけど、それなら俺と松潤辞退で」

「分かりました。それで話つけてきます」

「ごめん、お願いします」

資料をまとめるマネージャーに、
申し訳なさそうに謝る松潤。

「どした、苦手なの？」

マネージャーが部屋を出て行ったあと、
翔ちゃんが松潤にそう尋ねた。

翔ちゃんの視線を辿れば、
俺の視界に映ったのは、少し眉を下げる松潤。

「うん、苦手で…」

ハハ、なんて乾いた笑いをする彼に
俺らはただ頭にハテナを浮かべるしか無かった。

テレビではしたくない、ってことかな？

「まぁ、その日休み貰えるってことだし、いいや～」

「仕事ないとは限らないでしょ( 笑 )」

ニノに突っ込まれたところを
「相葉ちゃん忙しいもんねぇ」って助け舟を出してくれるリーダーに救われた。

そんな光景を、松潤は
いつもの、優しい笑顔で見守ってた。