乞ウモリ (ページ38)

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beg.37 / plz … for me －A ページ38

「…失敗作、とか…言わないでよ」

否定の言葉を探しまくって

振り絞って出てきたのがこの言葉。

それがきっと、ダメだった。

「言わないで？？

……失敗作って言わなきゃ、なんて言えばいいの？

生まれた時から何もかもが違うんだよ…！！

…2人だって、言葉に悩んでるじゃん…」

彼の奥底に眠っていた、

…いや、

彼が奥底に秘めていた、本音に

火をつけてしまった。

彼の瞳が燃えるように熱くなって

カッとなったまま、

涙を浮かべて俺たちにそう言った。

「潤くんが…

潤くんが、どうしても失敗作って言うなら

もう、それでいいよ」

「おい、ニノ？」

「でも。

俺らは、失敗作だなんて思わないよ。

俺らがどう思うかは、俺らが決める。

だから俺らは、潤くんを失敗作だとも思わないし

俺らとは違うとも思わない。

今までと同じだよ。

潤くんは、俺らと同じ輪に変わりない」

風も、空気までもを止めそうな気力でそう言ったニノは

じっと、松潤を見据えて

彼の言葉を待った。

「後悔するよ」

「しないよ」

彼の中では、

きっと、仲間なんて関係ない。

この事で、俺らを信じていいのか。

頭の中で、グルグルと考えているんだろう。

俺らがどれだけ想っても、

彼にはそれと共に恐怖が纏わり付いてくるんだ。

「……ごめん」

「え？」

「頼むから…、…忘れてくれ」

分かり合える、…なんて

そんな甘くないと

薔薇の棘みたいな何かが、チクリと心に刺さる。

深く頭を下げた彼に

俺達に心を許してくれ、なんて

再び言うことは出来なかった。

帰ろうとする彼を心配するニノを見て、

俺が送って行く、と言うと

渋々頷いてくれた。