53 / 特別な愛 ページ9
和也「全然ダメなことじゃない。
1人が嫌、っていうのはさ？
俺らと居たい、ってことだから
すっごい嬉しいよ。
潤くんが、1人でいいって思うより
どんどん、1人が嫌だって
俺らと居たい、って思ってくれる方が嬉しい。
他の誰かじゃ、意味が無いんだよ。
潤くんだから全力で支えたいし
潤くんだから1ミリも不安にさせたくない。
でも、簡単なことじゃないって
ちゃんと分かってる。
潤くんが今、俺らに対して抱いてる不安や遠慮は
決して要らないものじゃない。持っててダメな感情じゃない。
だって人間だもん。
でもね、俺らはそれを超えられると思ってるから
それを超えられれば、潤くんに本当の愛を伝えられると思ってるから
取り除きたいと思うの。
だからこそ、それが大きく膨らんじゃった時は
俺らが一生懸命
1ミリでも、一瞬でも
不安や遠慮を、俺らの愛が超えられたらいいな、って
今はそう思ってる。
いつかは、超えたいの。
だって、俺らだもん」
消えるわけがない。
耐えられるわけがない。
小さい頃から持ち続けた恐怖や不安が
この、たった短期間で。
俺らが必死だったとしても
そんなの、消えるわけがないんだ。
ただ、俺らはそれを願ってる。
消えるわけがないものを
消えるように願ってる。
それには、たくさんの時間が必要で。
そんなの、たくさんある。
俺らには、時間なんてたくさんある。
潤ちゃんに掛けられる時間なら、
限界なんてないんだから。
潤「ふ、んくっ…、かず…っ、」
和也「ふふ、大丈夫。
俺らは、潤くんの全てが好きだよ」
“ だって、俺らだもん ”
潤ちゃんに向けたはずのニノのその言葉が
やけに心に響いた。
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作者名：つむぐ
| 作成日時：2019年6月27日 16時
