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side N
「…ねぇ」
「…ん？」
この空気に呑まれて、少し口籠もりながらそう問いかけた相葉くんに、
俺が無愛想に返事をすると
俯いたまま、再度口を開いた。
「松潤が言ってるのって…、結局は、居なかったことにしてくれってことだよね…」
聞きたくなかった、
一瞬でそう思った。
身体中の血が騒いだ。
「おまえ、それ…、言わなくていいだろ」
滅多に聞かない低い声で、
翔ちゃんがそう口にする。
「…無視出来ないでしょ」
「なんでだよ、わざわざ心抉るようなことしなくたっていいだろうが」
「じゃあまた同じこと繰り返すの？」
「…え？」
翔ちゃんだけが、相葉くんの方を向いて話しかけていたけれど
無視してりゃいい、そんな翔ちゃんの言葉に
相葉くんが、勢いよく翔ちゃんの方を向いた。
「また同じ過ち犯すのかよ！！」
そのまま、大声で怒鳴った相葉くんに
翔ちゃんは何も言い返せず
大野さんが、そっと相葉くんの肩に手を置いた。
俺は、俯いてしまった翔ちゃんの肩に手を置いた。
「そうだね…、ごめん、」
「いや…、俺も怒鳴ってごめん」
分かってる。
相葉くんの言う通りだ。
自分達の心を抉られたくなくて、
彼の言葉を、本音を無視して。
そんなの、5年前と何ら変わってない。
ひとり、舟を漕ぎ始めた彼を
出発点の岸から見ているだけ。
濡れるのも、溺れる危険性も構わず
追いかけていくことだって、出来るはずだ。
でも、その後は？
彼が乗る舟を捕まえて、その後はどうする。
向こう岸に行くしか術がない彼を
どうするっていうんだ。
どうする？
どうしたらいい？
昨日の一日は、神様がくれた
最期の楽園だったのだろうか。
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ヲ伽 -otogi-(プロフ) - ともさん» お返事大変遅くなり申し訳ありません。まだ興味を持って下さっているかわかりませんが、感謝を伝えたくて…。このお話を読んでいただきありがとうございました。また、処女作から読んで下さっているとのこと、とても嬉しいです…！本当に、ありがとうございました´`* (2022年3月17日 1時) (
レス) @page6 id: a5fdc137e0 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。処女作から拝読させていただいてます。5人の愛と絆に感動すら覚えました。 (2021年3月13日 22時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
つ む ぐ(プロフ) - 黒猫さんたさん» コメントありがとうございます！読み返したくなるなんて本当に嬉しいです(涙)あとがきまで読んでいただき、思いが届いたみたいで温かい気持ちになりました。こちらこそ、貴重な感想コメントありがとうございます！応援ありがとうございます(*^^*) (2019年3月27日 1時) (レス) id: cfd42291d9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫さんた(プロフ) - あとがきを読み、意図を知りもう一度読み返そうと思いました。素敵な話をありがとうございます。長くなりすみません。これからも応援しています。 (2019年3月27日 0時) (レス) id: bd1adb9f7a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫さんた(プロフ) - 初めまして！まずは完結おめでとうございます！！最初から最後までとても引き込まれ最後は哀しくもありなんだか温かくなりました。つむぐさんのお話の雰囲気や雰囲気を作るための文章作りなどとても大好きで何度でも読み返したくなります。 (2019年3月27日 0時) (レス) id: bd1adb9f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つ む ぐ
| 作成日時：2019年3月18日 15時
