宵闇急行【HQホラー】

急行２◆宮瀬 ページ2

「自主練残る人は残ってー。後は気を付けて帰れよーっ！」

主将の茂庭の声に皆が返事する。
二口は散らばっていたボールを拾い集めて籠に投げ入れた。
また1球、拾い上げると同時にバサバサ、という物音が。
振り返ると窓の外で大きな烏が2羽、飛び立っていった。
漆黒の羽根がヒラリと1枚落ちる。
その宵闇を凝縮させたかのような色に、ふと一年前の“あの日”を思い出した。
思い出すだけで躯が震える。
手の中のボールが震えのせいで零れ落ち、てんてん……と転がっていった。

「……？」

青根の大きな手がぽん、と二口の肩に優しく乗せられる。
どうした？と不安そうな目を向ける青根に、二口は曖昧に答えた。

「去年の……」

あぁ、と頷いて青根が目を逸らす。

「ふぇ？ どうしたんスか？」
「どうかしましたー？」

次期セッターの黄金川と正リベロの作並が首を傾げた。

「あの、去年色々あってさ……」

二口が言葉を濁して言う。その場に続々とメンバーが集まってきた。
二口は集まった面子をずらっと見渡して、目で「話しますか？」と問い掛ける。
茂庭、鎌先、笹谷、青根、二口、小原、女川──去年のメンバーがこくり、と頷いた。
黄金川と作並が興味津々で二口を見つめる。

「あのさ、一年前の話なんだけど──」

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マイダァリンもう駄目だよ＼(^o^)／

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