人間のフリをして【番外編】

番外編Part13 ページ13

「こんなところに神社が……！」

家から少し歩いたところに森に覆いかぶさった神社の入口が現れた。

『ここ付喪神』
「え、どこ？」

パッと見てでも判断出来ない風景に彼は少しあたふたする。

『たぬさん』

私がそうつぶやくと入口近くにある生い茂った草むらから蕎麦屋でよく見かけるタヌキの置物が顔を出した。

「ぎゃぁああああ」

ビックリした出久は私の後ろに隠れる。

《あら、タマさんじゃねぇか。あ？そっちのがおまえさんの旦那さんか？へなちょこだなぁ》

『出久、へなちょこ違う。強い』

《ま、人は見かけによらねぇって言うしな……で？休みのこんな日に何しにきたってんだ》

『散歩』

肩から下げているお酒の入った容器をひとくち飲んでそりゃ呑気なと伸びをした。

それから少し雑談をして次の場所へ。

「姿は違っても、中身は僕達人間と変わらないね」

たぬさんは基本話しやすい。
近所の話し相手にもなってるぐらいだから。

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