九話 ページ12
「爆豪、ハンドボール投げいくつだった？」
「67ｍ」
「個性を使って投げてみろ」
これはおそらく見本。
確かに今までは個性なしで体力テストを行っていた。
「んじゃ、まぁ……死ねぇえ」
爆発とともに勢いよく飛んだボールは700mを超えた。
「705m」
その個性を使う、使わないの見本を見たところで本番となる。
「面白そう！」
誰かが答えたその発言に先生は見逃さなかった。
「………面白そう…か。ヒーローになる為の３年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのか？」
先生の目が光る。
「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断して、除籍処分としよう」
その言葉に皆、熱くなった。が、ただ１人、出久は絶望的な顔をしていた。
『出久、大丈夫』
うまく元気づけようと努力したが、彼はそれどころじゃないらしい。
最初の種目は50m層。
ペアは轟くん。
「悪いが勝たせてもらう」
『無理だと思う』
スタートの合図とともに動物変化を行う。
『チーター』
スタートダッシュを切り、三秒でゴール。
その後に轟君がゴール。
「はぇえ」
誰かが呟いた。
ボブっと音をたてて私は猫に戻る。
『にゃあ』
負けて悔しそうな顔をしている割に猫の姿になった私を抱き抱えては撫で回してくる。
猫、好きなのかな。
次の種目は走り幅跳び。
『カンガルー』
力いっぱい地面を蹴ると砂場の端から端まで飛び越えた。
結果は測定不能。
反復横とびではウサギに。
握力ではゴリラ。
465という結果に。
上体起こしは苦手分野で、これだけは人間の姿じゃなきゃ出来ないもの。
そして最後は爆豪くんが最初にやった、ハンドボールと来た。
私は正直、帰りたい気分である。
こんなに体を動かしたのはSAO以来。
「次、影猫」
名前を呼ばれてボールを受け取る。
投げることが得意な動物と言えば、熊か像が浮かぶ。
『熊』
ボブっと音をたてて私の姿はツキノワグマ。
ボールを力いっぱい投げる。結果は700超え。
熊にしてはよくやった方だよ。
本物と違うからなんとも言えないけど。
「凄いですわ、影猫さん」
八百万さんが駆け寄ってくる。
『疲れた』
流石に使いすぎたよ、個性。
「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
軽々しく告げられたその言葉にほとんどの人が絶望する。
特に出久は真っ白になってた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱里(プロフ) - まほちんさん» き、気づかなかった……全部直します！ありがとうございます！ (2018年3月28日 18時) (
レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
まほちん - 雄英高校が、ほとんど英雄高校になってます、、、！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: 05f0b2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 名無し42823号さん» お、お恥ずかしい笑笑ありがとうございます！ (2017年12月3日 17時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し42823号(プロフ) - 18話のクラインがクラウンになってますよ！お話面白いです！ (2017年12月2日 12時) (レス) id: 2281aa880b (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» ご丁寧にありがとうございます！画像、貼り付けてみます！ (2017年10月19日 7時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱里 | 作成日時：2017年9月17日 19時
