十話 ページ13
個性把握テストが終わると、私達は下校となった。
「一緒に帰ろ？」
『ごめん、用事ある』
そう言って私は窓から下駄箱へ。
普通に行けよ！なんて声が聞こえたがそれどころじゃない。
出久が寂しそうな顔をしていたなんて知らない。
どうやら、桐ヶ谷君。キリトが異常らしい。
いつも異常だが、そちらとは違う方向に異常だとか。
SAOから帰ってきたあの日、キリトはアスナがいる病院に向かったそうだ。
アスナは目覚めてなんかいなかった。
ずっと眠ったままどこかの世界にダイブしていた。
その世界が昨日わかったらしい。
ALfheim Online(アルヴィン オンライン)。
通称ALOにアスナが捕らわれていた。
私も以前、そのゲームを買った身でそれを聞いた時はまさかと思った。
けど、写真を見る限り事実なんだろう。
それについて何故か立ち止まっているキリトが今、例のカフェにいるそうだ。
ガツンと言ってやらなければと私は今、全力疾走中。
学校からは意外と近く、二十分ぐらいでつく距離。
目的のカフェへ勢いよく扉を開けると、落ち込んだキリトを眺める皆とその本人がいた。
「モノクロちゃん」
私のアバター名はモノクロ。
エギルが私を見るなり、キリトを指さす。
「やぁ、モノクロ」
相変わらず無理をした顔をしている。
『そんなんでいいの？』
何がわからないという顔をした彼。
それもそのはず、私にはなんの知らせもくれなかったから。
聞いたのはリズから。
『リズから聞いた』
それを聞いて察したのか顔を困らせる彼。
『行かないの？』
私の目を見ず、下を見る彼。
私はため息をつく。
ボブっと音をたてて変化したのはライオン。
キリトを踏みつけるように私は立った。
「なっ……」
皆が驚いた顔で私を見る。
あ、そういえば言ってなかったっけ。
『アスナにとってキリトはヒーローなんだよ。そのヒーローが手を差し伸べなくてどうするの』
怒りで喉を鳴らす。
捕まえた獲物を逃さないようにする野生の目。
『何があったのか知らないけど。アスナは助けに来るの待ってる！』
ライオンが吠える。
それに固まるキリトは鳩が豆鉄砲を喰らったようなそんな顔をしていた。
私は人の姿に戻り、キリトの前から引く。
「モノクロ、お前……」
『言ってなかった』
それだけ。と、私は店を出た。
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朱里(プロフ) - まほちんさん» き、気づかなかった……全部直します！ありがとうございます！ (2018年3月28日 18時) (
レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
まほちん - 雄英高校が、ほとんど英雄高校になってます、、、！ (2018年3月23日 23時) (レス) id: 05f0b2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 名無し42823号さん» お、お恥ずかしい笑笑ありがとうございます！ (2017年12月3日 17時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し42823号(プロフ) - 18話のクラインがクラウンになってますよ！お話面白いです！ (2017年12月2日 12時) (レス) id: 2281aa880b (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - よぼよぼ婆ちゃんさん» ご丁寧にありがとうございます！画像、貼り付けてみます！ (2017年10月19日 7時) (レス) id: 5e4d9538d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱里 | 作成日時：2017年9月17日 19時
