【分岐END】ドSなサイコパスと甘美な時間３【実.況.者】

END ページ28

数人の男に囲まれたAちゃんを見つけた途端

つい、抱き寄せてしまった


結果的にナンパみたいだったけど
あの時は状況なんか把握する暇もないくらい無意識に手が伸びていたんだ






他の男と話してるのが嫌




そんな俺の

エゴで出来た独占欲で





Aちゃんは俺の想像していたよりも何倍も小さくて



思わず腕に力が入る





無抵抗なAちゃん

その表情を見る勇気はない





「･････ごめん、Aちゃん。彼氏だなんて咄嗟に嘘ついて」




ナンパに対しての余りにもありがちな手法だったけれど

実際、あのやり方は通用するもんなんだな

なんてどこか呑気な頭の片隅で考える




きっと、もう諦めていたんだ

こうしてAちゃんに触れる事も、抱き締めることも



これで最後



最初で最後だから
無理言ってでも、もう少しだけこうしていたいだなんて



本当に全部俺のエゴなんだけど




「フジくん････」



小さくゆっくりと名前を呼ばれた



次に出てくる言葉は分かっている

心の準備は･･･生憎まだ出来てないけれど





「･･･フジくんに“彼女”って言われて･････私嫌じゃなかった･･･」




「････････え･･･？」




「･･･嬉しいって･･･思った･･････」





思っていた返答と真逆の言葉



見下ろしたAちゃんは顔を赤くして俺を見てはにかんだ





「･･･Aちゃん･････」



「････私、フジくんの“友達以上”になりたいです」








気付けば

俺はもう一度Aちゃんを強く抱き締めていた





「Aちゃん･･･」






お互い初めての事だらけの未来がこの先待っているけれど







「大好き！！」





俺の人生最初の告白



そしてきっと



人生最後の告白






「私もだよ、フジくん」








この恋が






最初で最後の恋になりますように









√fj.




END

76.√ky→←.

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