第二十四話:令嬢の帰宅 ページ27
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あれからAは、半ば無理矢理車に押し込まれ、バスを使うよりも速く家に着いた。
チーノはドアを開けると手を差し伸べた。Aは躊躇うことなくその手を重ねる。約十七年も名家の令嬢をしていれば、このくらいのエスコートに恥じらうことも無くなるというもの。最早その身に染み付いてさえいた。
チーノのエスコートの元、Aは絢爛な豪邸に足を踏み入れる。その瞬間、Aの帰りを待っていた使用人達が一斉に頭を下げ、令嬢を迎えた。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
『あぁ、じいや。ただいま』
「御夕飯の準備が整っておりますが、如何なさいますか」
『一先ず汗を流したい。湯船の準備は?』
「整っております」
『そうか、なら先に風呂に入る。チーノ、荷物を私の部屋へ。それと着替えも頼む』
「畏まりました」
Aから学生鞄を受け取り、一礼してAの部屋へ向かう。Aはチーノを横目に脱衣場へ向かった。
───────…
ちゃぷん、と湯船の水面が波打つ。Aは乳白色の湯の中で暫くぼーっとしていたが、逆上せそうな気配を察知し、湯船から立ち上がった。
「お嬢、お着替え持って来ましたよ」
『ありがとうチーノ。そこに置いておいてくれ』
チーノが着替えを置き、脱衣場を出ていくタイミングを見計らって浴室から出る。
近くのカゴに入っていた着替えを取り出して、Aは溜め息をついた。
『……やっぱり、別の人間に持って来させれば良かった』
Aの手には白いワンピース。チーノに着替えを頼むと大体可愛らしい代物が用意される。
アイツ、私を一体何歳だと思っているんだか。
だが、頼んでしまったのはしょうがない。Aはもう一度溜め息をつき、仕方無くワンピースを纏って脱衣場から出た。
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度々の登場すみません。どうも爺です。
なんと皆様、喜ばしい事に【タイラントクイーンの改革劇】が此の度、総合一位となりました!!
遂にスマホがバグったかと思ったのですが、どうやら現実のようで……((
沢山の高評価やお気に入り登録をしてくれた読者の皆様に格別の感謝を。
それでは、紙面が尽きそうなので私はこの辺で。
2020年 8月4日 鶴木
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます! (2020年9月13日 13時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き!シナリオ面白いです(*´∇`*)本当に!いい展開! (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー!ありがとうございます!!女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります!! (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…! もう、好きです!(2回目)無理しない程に頑張って下さい!応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。@変人系カップル&シトラ教教組さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶴木 | 作成日時:2020年7月20日 22時