第二十三話:嫌な奴ら ページ26
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江見との勉強会を終えた私は一人帰路につこうとしていた。
しかし、江見の教え方はとても上手だったな。あれは教師達の期待が高まるわけだ。それに記憶力もずば抜けて良い。一年前にやった内容を一度も詰まること無く解説してみせるとは本当に驚いた。
確か、カメラ・アイと言ったか。一度見たものを忘れることはなく、カメラのようにずっと記憶している。魔法ではない彼特有の体質。
素晴らしい。やはり有能な人間程好ましいものはない。
頬が緩みそうになるのを堪え、何時ものように鉄面皮を貼り付けた。
運動場を横目に正門を目指すが、何やら、正門前が騒がしい。私と同じく自習帰りであろう生徒達が互いに声を交わしながら、正門をくぐっていく。
何事だ……？
不審者でも居るのだろうか。だとしたら生徒会長として見逃すわけには行かない。
意を決して正門に近付くと、何やら黒い物体が見えた。よく見るとそれは黒塗りの高級車で、しかも、とてもとても見慣れた物であった。
紛れもない、椿木家の車だ。
それだけでは無い。車の隣に控えている長身の男は車よりも見慣れた顔をしていた。男はこちらに気が付くや否や、人目も気にせず長い腕を力一杯振った。
「お嬢〜！！」
あぁ、頭が痛くなる。
『迎えに来るなと何度も言っているだろう。チーノ』
チーノ、と呼ばれた男は私の叱責を気にも留めず、ヘラヘラと笑うだけだった。
「いいじゃないですかぁ、お嬢の帰りが遅くて心配だったんですよ〜」
『だからってわざわざリムジンで迎えに来る奴があるか。それと、その呼び方どうにかならないのか。勘違いされるだろう』
肩に回された手を払い除けながら、運転席に歩み寄り、窓ガラスを叩く。
『居るんだろう、ショッピ』
聞こえたのかどうかは定かでは無いが、窓ガラスが開いたという事は何となく察したのだろう。柔らかそうな胡桃色と猫のような紫色の瞳が開いた窓ガラスから覗く。
「お帰りなさい、お嬢」
『ただいま……じゃなくてだな。どうしてコイツを止めなかった』
「めんどくさかったんで」
『車を出すのは面倒臭くないのか』
面倒臭い、とか言っているがきっとこの男の本心は私が迷惑そうに顔を顰めるのを拝みたいだけだ。本当に嫌な奴だな。
「そんな事言ってないで、はよ帰りましょ！」
「チーノの言う通りっスよ。乗るんならはよ乗って下さい」
『分かった分かったから、腕を引っ張るな。おい、聞いているのか。あぁもう本当に嫌な奴らだな！』
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
