第十九話:影 ページ22
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"影"が動くよりも先に私の足は動いていた。
『───
自身の足に強化魔法をかけ、"影"の横を走り抜ける。
見たところ強力な魔性では無い。このまま家まで走れば振り切れる！
一心不乱に地面を蹴って進む。ちらり、と後ろを確認すれば、"影"は未だ裂けた口を歪めたまま私を見つめていた。
───────…
『……只今帰りました』
何とか呼吸を整えて、重厚な扉を開ける。駆け寄ってきた使用人に汗だくの理由を質問攻めにされたが、適当にあしらっておいた。一から説明すると面倒臭いことになるのは目に見えている。
一旦自室に戻り、最低限の着替えを持って脱衣場に駆け込む。一刻も早く汗を流したかった。
制服を脱ぎ捨て、浴室に足を踏み入れる。
一通り汗を流して体を洗う。私の帰宅時間を見計らって張られた湯船に体を沈めた。
ふぅ、と溜め息が零れる。
先程の"影"───つまり、魔性と呼ばれるモノに遭遇したのは何時ぶりか。魔法と科学が発達した世界でああいった魔性は当たり前のように居るのだが、彼らは滅多に人の居住区に足を踏み入れない。だから、先程のように遭遇するのは極めて稀だ。
───襲って来なかった事を鑑みるに無害なタイプなのだろうか。いや、だがあの魔性は"見つけた"と言っていた。なら、誰かが彼奴を使役しているのだろうか。それとも私に対する何かしらの私怨が……？
『……分からん』
ちゃぷ、と湯船の水面が揺れる。
考えても分からぬようだったら考えたって仕方が無い。それなら他のことに頭を使った方が断然良いに決まっている。
妙なところで楽観的な私は先程の"影"を頭から振り落とし、湯船から上がった。
着替えを済ませ、自室に戻ると机に置かれた自立型のカレンダーが目に入った。
『そういえば、もうテストか……』
五月の下旬辺り。三日分の日付が赤い丸で囲まれ、自分の文字で"中間考査"と書かれていた。
提出物や勉強で忙しくなるから、暫くは部活動の視察に行けないな……
最近の楽しみが潰えた事ですこし気分が落ち込んだが、直ぐに頭を切り替えて机にノートや教科書を広げた。
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夢主は中間考査ですが、爺は夏休みです。なので更新スピードが上がってます。昨日なんか特に速かったですね…勢いに任せて更新してたらいつの間にかヒット数が3桁行ってました。びっくらこいた。
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鶴木(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます！ (2020年9月13日 13時) (
レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - あ″ぁ好き！シナリオ面白いです(*´∇｀*)本当に！いい展開！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - Tさんさん» ひゃー！ありがとうございます！！女王様主人公大好きなので動かすのが楽しいです……更新頑張ります！！ (2020年8月9日 18時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
Tさん(プロフ) - 主人公の性格と世界線が凄い好きです…！ もう、好きです！(2回目)無理しない程に頑張って下さい！応援しております〜、 (2020年8月9日 14時) (レス) id: 0fb9fed1ca (このIDを非表示/違反報告)
鶴木(プロフ) - #よにん。＠変人系カップル＆シトラ教教組さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年8月5日 16時) (レス) id: 9ab679ed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶴木 | 作成日時：2020年7月20日 22時
