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ゾムのマンションまで走る。

夜風が火照った頬を冷ました。




「遅いわ」

そう言って不満げな表情を見せる彼。

おでこには熱冷まシートが貼ってあって、厚手のパジャマを着ていて睨まれているのに何だか怖くなかった。

『ごめんって笑
ん、熱が下がってきてるね。
コンビニで色々買ってきた。何か食べられ…って』

熱を測るために彼の頬に手を添えると、その手を掴んで寝室に向かう彼。

そのままベッドに沈んだ。

『ゾム…?』

馬乗りになる彼。

まだ微熱なのだろう、瞳がゆらゆら揺れている。

薄暗い部屋で窓から夜の街の光が差し込んでいた。

「なぁA、シよ?」

こちらを見下ろす彼の頬は未だ熱を帯びていた。

それが風邪によるものなのか、はたまた興奮によるものなのか
判断できなかった。

『ゾム、今はだめだって。安静にしていなきゃ。』

どんなに可愛い彼のお誘いでも、今は体調を治すのが1番だ。

「なんで…いつもおねがい聞いてくれるやん……!」

ぽろぽろと頬をつたる涙。

まずいな、お腹の上に跨る彼との接触面がどんどん熱くなっている。これは熱が上がってきたぞ。

『ちゃんと治ってからの方がきっと気持ちいいよ?
今だったら、欲にまかせて雑に終わっちゃう。』

そう言って身体を起こそうとするとベッドに押さえつけられる。

「いや、いやや。」

ぽろぽろ

溢れ出した涙は止まらない。

あーあ、耳まで赤くして。

きっと熱が上がって脳がショート寸前なのだろう。

瞳の中がぐるぐると渦巻いている。

それにしてもここまで駄々っ子になるのも珍しい。

「Aがしてくれへんのやったら、俺がする!」

そう言って彼は俺のズボンに手をかけた。

『何するつもり?!』

思わず強い力で腕を掴んでしまった。

痛かったかな…

「俺がお前を受け止める。Aは動かなくてええから!」


『は、何言って。ゾムはいつも上でしょ?無理しないで。



ねぇゾム、どうしたの。そんなに必死になって』


彼の長い前髪がぱらぱらと目にかかる。

静かな時間が過ぎる。

街の喧騒がBGMのように漂った。

顔を上げたかと思ったら泣き腫らした目が顕になった。

端の雫を掬おうと手を伸ばすと、ゾムはそれを捕まえて頬に持って行った。

「なぁ、俺のことすき?」

捨てられた子犬のような瞳が俺を捕える。

間髪入れずに答えた。

『好きだよ』

「そ、それは、か、身体目当てなんやないん?」

はぁ、何馬鹿なこと言って





「シャオロンよりもすき?」

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オタク - 更新はないのでしょうか…?とてもいい作品なので今後も続きを待ってます!無理しなくても大丈夫です! (11月19日 12時) (レス) @page6 id: e9cf6f09d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまむ | 作成日時:2022年11月26日 12時

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