【鬼滅の刃】彩フ刃二願ヒヲ

二章 絶望 ページ9

真っ暗な闇の中_____

すぅっと落ちていく。

上も下も左も右も果てしなく暗い

そして空間はどこまでも広がっている。





否、下は違う·····何か違和感を感じて下の方へ目をこらすと遠くにうごめく何かがある。

無数の手のような··········

その不気味さに思わず顔を顰(しか)める。



ここは夢の中·····？





ふと見るだけで気持ち悪くなるような、穢い色が私を襲う


なんだこれ··········



目の前が真っ暗＿＿＿＿＿＿＿







あまりの不吉な予感に私は頬をたたいた




じわじわと脳が覚醒していく



まず1番に冴えたのは耳だった




キーンという耳鳴りと共に聞こえてくるのは、何かを貪るような咀嚼音


「あと２匹··········あの一番上の女は後に残そう·····この中じゃ1番肉付きがいい··········」


吐き気を催す声·····

そしてつんざくような悲鳴



「嫌だ！！！！！嫌だ！助けて！！！助けてよA姉ちゃん！！目を覚ませ！！！琴乃！！！」



次郎の声·····？



何が起こっている！？なにかに襲われている！？起きなきゃ、起きなきゃ！？

目を開けろ！！なんで！？なんであかないんだ！？




「ほぅ·····脳は覚めたか·····俺の血鬼術は金縛りの呪いだからなァ·····ヒヒヒ·····可哀想に·····脳だけ目覚めるなんて、仲間の悲鳴を聞く羽目になるぜ·····」




いくら聞いても聞き慣れない気持ち悪い声·····




次郎がなにかに襲われている！？食われている！？あと2匹·····！？私と琴乃！？

口が開かなければ目も開かない



なんなんだ！？どういうことなんだ！？



頭が混乱する中、ただ貪る音が私の耳に響いていた。

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