【鬼滅の刃】彩フ刃二願ヒヲ

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炭治郎の次の言葉は発せられることは無かった

突然炭治郎が鼻を抑えたからだ

私も後ろから流れてくる色に顔を顰める





「っ、腐ったような嫌な匂い·····」

『穢い色·····』






見るだけで吐き気がするような嫌な色

近くに強い鬼がいる·····？





「うわぁあああ！」




背後から叫び声がした



「なんで大型の異形がいるんだよ！こんなの聞いてない！」




大型の異形·····？


声のした方に目を向けると、そこには体から大量の手が生えた醜い鬼がいる

鬼は人の首を掴んでいた

もう、亡くなっているだろう·····



許せない



そう思うと同時に、私の体は勝手に動いていた



「A！？」



『全集中・色の呼吸 弐ノ型 黄 向日葵』




弐ノ型は一点に集中した攻撃

向日葵が太陽の方を向いて咲くように、一点を狙う



私の刀は、無数にある鬼の手の中で、人の頭を掴んでいる手を正確に切り落とす



『いつまでその汚い手で人を掴んでる気なの』


そう言い捨てて私は鬼の手を放り投げ亡くなった人をそっと木の下に寝かせた

もっと早く助けられなくてごめんなさい

手を合わせて再び鬼の方へ向き直る



許せない





追われていた人は炭治郎が庇ってくれたようだ

炭治郎は水の呼吸の使い手か·····

あれ·····？先生の言っていた鱗滝という人は水の呼吸の育手だったよな·····






見るに堪えないほど醜いその鬼は、おわれていた人を庇い剣を構える炭治郎を舐めまわすように見る

何度見ても吐き気のする穢い色に私は顔を顰めた






しばらく睨み合うと、鬼はそっと口を開いた







「また来たな、俺の可愛い狐が」

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