『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ9)

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じっと見下ろされ、観察される。私といえば、先程まで近い近い、と。ときめいていたのだが、観察する彼女の目が怖すぎてすっかり恐縮してしまっていた

『あの、』

【なに】

『もしかして…その、嫌でしたか…？気に障ったなら謝りますし…』

何度もここに来る事を聞いてくるということは、実は嫌なんだけどズバリとは言えないとか、と思いそう聞いたが…言った後によく良く考えれば彼女はものはハッキリ言いそうだ、と考え直す。が出た言葉は戻すことが出来ない、ワタワタと訳の分からないことを言って誤魔化すしかなく

そうしてる間に彼女は離れていって、そっぽを向いた。覗き込もうとすると顔を掴まれて何も見えなくなった

『わ、わ…ｯ』

【あ、】

『え？』

【ぁ、明日もここにいる、から…来たかったら勝手に来たら】

『！はい、また来ますね』

【…ぅん】

『……あ、の…手』

視界が晴れる、触られていたところがまだ熱いまだそっぽを向いている彼女に自分も何だか気恥ずかしくなり下を向くと、彼女の足元で…いつの間にか浮いていた彼女はしっかりと地面に足をつけていた

『…では、あらためて…また明日』

【うん、また明日ね…エーミール君】

彼女の顔はとても嬉しそうで、その顔を見ていたらこっちも嬉しくなった

…顔と胸と手が今日一番で暑くなった気がしたが、ただの夏の暑さのせいだと思いたい。