『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ5)

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目的地に着けば案の定、ひとらんさんが既に捕まえたのかアヒル二匹をケージに入れている所だった。なんでこんなに動物がいるのか簡単に紹介するとここの学園長が大の生物好きなのである。

その為、この学園には馬術部も存在し…牛もいれば鶏も羊もいる。……学園外では一部に牧場学校なんて呼ばれることも多々ある……最初こそ疑問を抱いたが今はもう気にしたら負けだと思っている。

『ひとらんさん』

【先輩】

……何処かで聞いた声と、ひとらんさんを呼ぶ声が被った。お互いに向き合えば黒髪ロングで顔は前髪が長くて見えにくいが、眼鏡をかけている女子生徒で、スカートは非常に長くおそらく踝まであるだろう…しかしこんな暑い日だと言うのに長袖で倒れたりしないだろうか

それにしても……この声、旧校舎の彼女と似ている……というかそっくりだ二週間も経っているがあの声は忘れもしない

『Aちゃんにエーミールも、捕まえてきれくれたんだ、ありがとう』

何か聞こうと口を開くとひとらんが嬉しそうに寄ってきたので聞けなかった。腕の中で眠るウサギと亀をひとらんさんが順番に引き取りカゴの中へ、Aと呼ばれた彼女の抱えていたウサギも無事に回収された

『…に、し…ろ…よし。二人とも連れてきてくれてありがとうこれで全員集まったよ』

『良かったです！』

【……】

『あの、ひとらんさん彼女は…？』

『あ、そっかお互い知らない同士だよね…この子は氷室(ひむろ) Aちゃん、委員の子ではないんだけど、こうやって手伝ってくれるんだ』

【…………】

『……えっと、何時もはもっとお喋りしてくれるんだけど…人見知りしてるのかも。Aちゃん、こいつはエーミール、好きに呼んじゃっていいと思うし、優しいから安心していいよ』

【………………】

『………はは、何はともあれ、同じ学園の生徒としてよろしくお願いします』

握手をと差し出した手を氷室さんはそっと握ってくれた、何やら嫌われているというわけではない様子。しかしこの態度を目の当たりにすれば、少しばかり複雑な気持ちにはなる、そもそもどう声をかけたらいいのかが分からない…！

『エミさんとは仲良くなれそうな子だと思ってたけど…まぁ、そういう事もあるよね…紹介した身で申し訳ないけど二人とも無理に仲良くなる必要は無いからね？』

ひとらんさんが困ったように苦笑いをしながら、まるで妹でも可愛がるように氷室さんの頭を撫でた