『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ4)

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『ストップ！ストップ！』

あらぬ勘違いへと白熱しそうになった周りを止めれば、スっと止まる。俺の心配より、お前らのが心配やわ……

『いじめられとらんし、カツアゲなんてされとりませんよ』

『じゃあ一体何が原因なん、放課後旧校舎行くのは否定せんってことは…そこで何かしとるんやろ』

『何かしてるというわけでは…』

その時、部屋の外からノックの音が聞こえ誰かが中に入ってきた、赤茶色い髪、パッチリとした茶色の瞳にすらっとした体格、誰もが振り返るような容姿………小野町恋蜜だ。そういえば彼女は生徒会役員だった事を思い出す。

《あらら…？私お邪魔だったかな…》

困ったように下げる表情。彼女からは後光が差し、今は俺を助けに現れた女神にしか見えない。もうそうとしか思えない

『……みんな今日の所は解散だ』

グルッペンのその言葉にしょうがない、と言うようにみんながちりじりになり、オスマンとグルッペン以外が生徒会室を出ていった。

《みんなどうしたの……？》

『いや、これと言ったことは無いさ。エーミール、もう行っていいぞ』

『は、はい』

……………良かった、助かった。生徒会室を出てそっと胸を撫で下ろす。しかし、あれだけ心配してくれて嬉しいやらなんやら…

今日の所は旧校舎に寄らずに帰ろう、流石にあそこまで追い詰められて行くなんて、さらに怪しいかもしれないし、考えすぎもあるが念の為…

真っ直ぐ帰ろうと学校を出る、するとコツンと足になにかがぶつかった。見ると何故か亀がそこに居た、今の衝撃で驚いたのか頭と手足を隠している

この学園には池がある、多分そこの亀が脱走してここまで来たんだろう。見つけたからには返してあげようと向かう事にして、学園の裏に向かえば次は前から白い塊…基ウサギがこちらに突進してきた

……今日は、動物と遭遇してしまう日なんだろうか…それにしても脱走しすぎでは？生物の管理は美化委員が花壇の世話や学校の美化等とまとめて取り持っていて、ひとらんさんも委員の一人だ、さっきは生徒会室にいたから、その間に逃げ出したのかもしれない

『みなさん大変ですねぇ…』

足にしがみつくウサギを抱えて歩き出した。