『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ3)

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なでりページ3

『……何があったのか、教えてもらおうかエーミール』

複数の視線はまるで尋問するかのような目付きで、言うなれば俺はさしずめ蛇に睨まれた蛙と言った所だろうか。

……あの日から二週間が経った。あの日の翌日、足の応急処置に使ってくれたタオルとハンカチを返そうと同じ場所に行ったが、彼女は居なかった。

その日旧校舎をくまなく探しても見つからず。

また次の日、また次の日と旧校舎に通いつめて一週間、二週間と、経ったのだ。

もう会えないのかと思うと、気分が下がり何となく食事も喉を通らない。

そんな様子を見た友人数名も初めは軽く励ましてくれるぐらいで言うほど気にしていなかったものの、とうとう二週間経った今日。この日ばかりは、と言うように図書委員で仕事をしようと向かっていた矢先に拉致され、生徒会室に連れてこられてしまった

そして冒頭へもどるという事である……。

学園の生徒会長、グルッペンが大人顔負けの威圧感でジッとこちらを見つめる。

いつもなら適当な悪態をついてやったりする所だがそうもいかない、というかそうさせないオーラを出しやがる。

『別に、君らに話すようなことでは無いし、そんな心配せんでも……』

『お前、俺らに話すような事じゃなかったら約二週間もあからさまにへこまんやろ』

コネシマさんの鋭い横槍に、つい口を噤んだ。

確かに自分でもそこまででは無い悩み事はさほど抱えない方で、ひとりじゃ抱えきれない相当な事なら素直にゾムさんやトントンさんとかに言うだろうし

そう考えると今回の俺は周りからしたら様子がおかしいということになるわけだ。

『お前この二週間、放課後に旧校舎の方に頻繁に行っとるらしいやん。それとなんかしら関係あるんちゃう？』

大先生が手元にあるスマホを見ながら言う。その言葉に、段々と肩身が狭くなり逃げ場が失われていく。

『えっ、放課後の旧校舎って霊が出るんでしょ…なんで行くの態々………信じらんない』

『んー…ひとらんみたいに怖がって近づく人がおらん所で、エミさん何してんの？』

ひとらんさんとオスマンさんの言動を皮切りに段々とみんなが自身の推理と考察をとばす。

『肝試し？なわけないよな…流石に』

『アホかお前、一人でわざわざしかも人目につかんって言ったら、カツアゲされとるとかやろ。呼び出されたりとかしとるんやろ？』

『は？誰やそれ殺したろ』

『まさかエミさんいじめられとらんよな…？』

『ありえない話じゃない』