『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ12)

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もじっページ12

『二人ともいい雰囲気の所申し訳ないけど』

『い、いえ！そんなんじゃないです！？』

【慌てすぎだよエーミール君…】

『ぇ、えっと』

『青春だねぇ…はい、これ大きいタオルね制服はここのベッドに置いておくから、こっち着替えてね。それでこれは袋、濡れた制服入れといてね』

【ありがとう、ペ神】

『じゃあ、カーテン閉めるね』

シャッと閉められたカーテンの裏からガサガサと音が聞こえて反射的にそこから背を向ける

『で？なにがあったのかなエーミール』

『実は……』

かくかくしかじか。自分が見た所を全て話せばいつもは穏やかで、めったに怒らない温厚なしんぺい神さんも、話を聞いて流石に眉をひそめ、有り得ない！と怒りを顕にした、しかし直ぐに顔を緩めて安心したような顔をした、その表情に首を傾げていればしんぺい神さんは口を開いた

『でも良かった……Aちゃんここの所元気なかったから…聞いても大丈夫、ってなんにも教えてくれなくてさ～～、幼馴染の方にも聞いたら何も聞いてないって言うし…』

『そうでしたか、それにしてもお二人は随分仲がいいんですね』

『まぁ、妹みたいな感じだし』

いつかのひとらんさんみたいな顔、彼は本当に彼女の事を心配していたのはすぐに分かった。

【着替え終わったよ】

『ん、親に連絡した方がいいよね、職員室行ってくる』

【おけ～～】

すぐ戻ってくるからね！と何故かクギを刺された。頭を傾げていれば彼女がスマホをもって椅子をすぐ側まで寄せた

【ん、連絡先交換しよ】

『そうでしたね、少し待ってください』

手馴れた様子で片手でアプリを起動して待つ彼女に対して自分は両手でモタモタとアプリを開いた、Lime(らいむ)(無料チャットアプリ)を開いてQRコードを読み取ってそれぞれ連絡先を確認し合う

【よし、ありがとうエーミール君】

『いえいえ、あ！今日は名前をちゃんと聞きますよ！』

【そうだよねぇ……でもエーミール君、もう知ってるよね私の名前】

『…………ええ、ですが貴女から直接教えて欲しいんです』

誰かを介さず、本人から

『……氷室 A、だよエーミール君』

ピンク色の瞳が細められた、その仕草が可愛くて頬に手を添えて親指で目元をなぞる

【……エーミール君…？】

『これからは、俺を頼ってな…？』

【っ…うん】

そう返事をした彼女の頬は酷く暖かい。