『d!』【旧校舎の浮遊人】『学パロ・em』 (ページ1)

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ふわりページ1

日差しの強いある夏の放課後、滲む汗を拭いながら古本の入ったダンボールを運ぶ男が一人。

彼の名前は永見智司(えみさとし)と言う、周りからは何故か、エーミールと呼ばれる男子生徒である、彼は図書委員で、言われた事は基本断らない……否、断れない男である。

そこにつけ込んだ他の図書委員の生徒は、なんどもエーミールにこの仕事を押し付け、今回も今頃はクーラーの効いた部屋でのんびりしている頃だろう。

しかし、他の図書委員が彼にこの仕事を押し付けたのには、早く帰りたい以外に理由があった

この古本を移動させる場所が旧校舎の図書室に運ぶからだった。放課後の旧校舎と言えば気味の悪い噂がある、肝試しをする生徒や、興味や好奇心に立ち寄る生徒以外に、噂を知っている生徒は、誰もが放課後に旧校舎に近寄ろうとはしない。

エーミールは噂を信じている訳では無かったが、全く信じていない訳でもない、会えるものなら会ってみたい等と思う所詮好奇心で、他の生徒より平気で放課後の旧校舎に古本を運ぶような作業はやっていた。

しかし今まであの噂の女子生徒の浮遊霊になど、会えたことなどない。

何度目かの仕事のうちにエーミールはやはり噂は噂なのだろうと、肩を落としていった。

今回も会えることなどないだろう、こんな事早く終わらせて、涼しい部屋で本でも読もう。

両手がふさがっているのをいい事にはしたなく足で古い気の扉をガタガタと開いたと同時に激しいく物が落ちる音がして、飛び上がる。

大袈裟なことをしたからか、と後悔しながら中に入り後のした方を見てまたしても飛び上がった

『えｯ』

【あ、やべ】

持っていたダンボールは驚きのあまりに力が抜け、酷く重く、激しい衝撃として足の上へと直撃した、革靴とはいえ重い本が何冊も入ったダンボール、痛くないわけがなく、衝撃のあった足を咄嗟に抑え座り込んだ

『～～～～ｯｯ！！』

【大丈夫……じゃないな、見せて】

痛む足を抑えていた手を払い退かせて、庇っていた足をその人はペタペタと触って確認する。今あったばかりの人間の足などよく触れるな、とか悠長に考え始めれて来たから先程よりはものを考えることが出来そうだ

『ひっ』

ヒヤリと冷たいものが足に当てられて思わず声を上げる、見ればハンカチに巻かれた保冷剤のようでテキパキとその上からタオルでその人は応急処置をしてくれた