検索窓
今日:34 hit、昨日:2 hit、合計:21,374 hit

ページ26

Aside







「うん!それなら仕方ない!」

『…へ?』


思わぬ言葉に、素っ頓狂な声を上げてしまう。

ダンダリオン先生は私から腕を離すと、最初と同じようにニコリと笑って、
「ごめんね」なんて、謝罪を口にする







「病院があるなら言ってよ〜これで診察とか出来無かったら大変だ!」

『え、あぁ…』


さっきとの温度差に驚いてしまって、私は思わず口篭る。

ダンダリオン先生は案外スっとしていて、出口まで、半ば私を押し出す形で歩いた。







「あ、そうだ。学内で怪我とかしたら、しっかりと僕達に報告するんだよ?

小さい怪我とかなら、ブエル先生が治してくれるし。」


ダンダリオン先生は、「ねぇ〜?ブエル先生〜」なんてわざとらしく声を響かせて、

驚いて目を見開く彼を見て、満足気に笑みを浮かべる。






「よぉし。それじゃ、引き留めちゃって悪かったね!」

『…いえ。』


────やっと思考が追い付いて来た。

冴えていなかった頭に舌打ちをすると、ダンダリオン先生は何で?!と、声を上げる。



その時、私の体は宙に浮いた。

…デジャヴ?






「Aちゃん、帰る?なら、送るよ。」

今朝と同じ様に、やっぱりシチロウさんだった。




『いや、でも…送って貰うのは流石に…』

私がそうやって口籠もってると、シチロウさんは笑顔で言う。




「じゃあ、バビルスの門までならどう?」

『門?』

「うん、家までは、色々と…だから、門まで。」


そうやって、シチロウさんは私の耳元に近付いて、ヒソヒソと言う。






「Aちゃん、迷ってちゃうでしょ?」

『あ…』

自分の事を自分で忘れていた私に呆れていると、シチロウさんはダンダリオン先生に向き合う。








「ダリ先生。それじゃあ僕等、行きますね。」

ニコリと微笑むシチロウさんを見て、ダンダリオン先生は見上げて、返事まで少し間をあける。



「…えぇ、勿論!」

そう言うダンダリオン先生の笑顔は、さっきよりも一番怖くて。

一番、作り笑いのようだった。









−−−−−−−−−−
門まで送って貰い、私は歩いて家へ向かう。

少し足が疲れてきて、脹脛を擦りながら、ゆっくりと歩く。






『…ん?』

ポケットにある違和感に、ふと気が付いた。


腰ポケットに手を伸ばし、その中身を探る。

指に何かが当たった感覚があり、引っ張り出してみると、それは資料の様な物。



私を襲って来た二人の悪魔の資料だった。

生徒資料−オリキャラ→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ベル - とても面白いです!カルエゴ先生の妹キャラ好きなので嬉しいです!!オチとかは無くカルエゴ先生と仲良くみたいな、、(語彙力無、、)そんな感じが自分はいいと思います。! (2023年1月6日 18時) (レス) @page27 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →もやしさん。ご観覧、有難う御座います!更新が不定期で申し訳ないです…これからも私のペースで頑張っていきますので、よろしくお願い致します!もう冬ですし、寒いので体調にはお気を付けて下さいね。 (2022年12月25日 1時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - TENSIさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (2022年12月15日 22時) (レス) id: 3155b38ccb (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page24 id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →遊星さん、ご観覧、ありがとうございます!アスモデウスですね!これからのストーリーの参考にさせていただきます。これからも、よろしくお願いします。 (2022年12月7日 14時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:TENSI | 作成日時:2022年11月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。