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Aside
その後、職員室に居た先生方が、一人ずつ自己紹介をして下さった。
…妙に、茶髪教師から見られていたのは、気の所為だと思いたい。
『…あの。』
「!な、何でしょう?」
目の前にいる水色の髪の女性────モラクス=モモノキ先生に話し掛ける。
モラクス先生だけではなく、私から口を開いたのが珍しいのか、殆どの先生は目を見開き、
私をじーっと見つめる。
…やっぱり、見られるのは慣れない。
視線を感じるから、妙に緊張してしまって、息が荒くなる。
『お、お兄…ッか、カルエゴ先生はいらっしゃらないんですか?』
「え?か、カルエゴ先生なら、」
「カルエゴ先生なら!君が来る前に理事長に呼び出されてたよ?どうしたの?
何か気になる事でも?」
『……いえ、何も。』
聞いてもないのに、
ペラペラと話す茶髪教師────もとり、ダンダリオン先生には溜息しか出てこない。
モラクス先生の回答を奪った結果、また距離を縮めてこようとする。
私の好きなタイプの悪魔では無い。
私は心の中で、密かにある、
今日で、二人目だ。
…というか、忘れていた。
私はダンダリオン先生の五月蝿い声をシャットダウンしながら、辺りを見渡す。
先生方は私を引き留めるばかりで、特に話したりしない。
この横にいる茶髪教師は別として。
…なら、帰ったって良くない?
腕時計をチラッと見て、時間を確認する。
もう午後の二時前で、早くしないと、診療所が開いてしまう。
予約は出来ていないし、早く診療所へ向かいたい。
ダンダリオン先生の五月蝿い声と、時計が刻む時間の音が響く職員室の中で、
私は意を決して声を上げた。
『…帰ってもいいですか?』
その瞬間、辺りは静寂に包まれて、私は顔を上げる事は出来ない。
何より嫌なのが、五月蝿かったダンダリオン先生も黙りやがったからだ。
嫌に居心地が悪く、私はもう、先生達の事は無視して、帰ろうと鞄を手にした時だった。
「何か、予定でもあるの?」
そう言って、腕を掴まれた。
恐る恐る顔を上げてみると、目が笑っていないようにも見える、茶髪教師。
『…えぇ、病院へ行くんです。予約してないから、早く行かないと。』
そう言うと、へぇ…とだけ言って、ジロリと視線を向けられる。
そして、私を掴んだその腕は────…
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ベル - とても面白いです!カルエゴ先生の妹キャラ好きなので嬉しいです!!オチとかは無くカルエゴ先生と仲良くみたいな、、(語彙力無、、)そんな感じが自分はいいと思います。! (2023年1月6日 18時) (レス) @page27 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →もやしさん。ご観覧、有難う御座います!更新が不定期で申し訳ないです…これからも私のペースで頑張っていきますので、よろしくお願い致します!もう冬ですし、寒いので体調にはお気を付けて下さいね。 (2022年12月25日 1時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - TENSIさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (2022年12月15日 22時) (レス) id: 3155b38ccb (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page24 id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →遊星さん、ご観覧、ありがとうございます!アスモデウスですね!これからのストーリーの参考にさせていただきます。これからも、よろしくお願いします。 (2022年12月7日 14時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TENSI | 作成日時:2022年11月7日 23時