第1話−新しい生活 ページ3
Aside
洗剤と太陽の匂いがして、少し古さを感じる制服に腕を通す。
男子生徒の制服がマントになった様な形で、お兄様が着用なさっていた物を頂いた。
胸元にリボンを付けて、タイツを履く。
今日は、憧れの悪魔学校、バビルスへの入学式。
私は無事、合格し、入学する事が出来る。
しかも、入試首席として。(もう一人居るらしい)
挨拶をする事になっている為、緊張で少し早く起きてしまったけれど、良しとしましょう。
跳ねまくりの髪を整えて、鏡の前に立つ。
────自分でも思う。
私とお兄様は似ている。
特に目元。酷くつり目で、お兄様と間違えられることなんて、しょっちゅう。
なーんて、見慣れてしまった左目の傷に触れる。
これは、私の大傷。
三本の鉤爪で左目を引っ掻かれた時の傷。
触れながら、私は魔術を唱える。
終えると、そこが少し光って、傷は綺麗に消えていた。
あったはずの場所に触れると、やっぱり傷の感覚はあって、
ザラザラと出っ張っていて、三本ある事が分かる。
私は溜息をつきながら、他に見えている傷は無いか確認する。
『────よし』
この制服のお陰で、大半の傷は隠れていて、足もタイツを履くことで隠せていた。
この傷を見た者は、決して逃さない。
見られることは、恥であるから。
鞄を持ち、部屋を出て、リビングへと階段を降りた。
−−−−−−−−−−
リビングへ降りると、テーブルの上にメモのような紙と朝食が置いてあった。
朝食は、目玉焼きとベーコン、ヨーグルトと栄養バランスの良い物で、
私はそれに手を付ける前に、メモを開く。
"朝食をしっかりと摂り、万全な状態で挑む事"
"Byカルエゴ"
『ふふっ』
そう、何度も何度も見てきた字に、思わず笑みを零す。
蓋をしているラップを剥がして、少し暖かい朝食を口へ運ぶ。
目玉焼きは私の好きな半熟で、塩をかける。
やっぱり、美味しい。
私なんかよりも、断然美味しい朝食はペロリと食べてしまい、歯磨き等の最低限の支度をすると、
電気を消して、家を出た。
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ベル - とても面白いです!カルエゴ先生の妹キャラ好きなので嬉しいです!!オチとかは無くカルエゴ先生と仲良くみたいな、、(語彙力無、、)そんな感じが自分はいいと思います。! (2023年1月6日 18時) (レス) @page27 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →もやしさん。ご観覧、有難う御座います!更新が不定期で申し訳ないです…これからも私のペースで頑張っていきますので、よろしくお願い致します!もう冬ですし、寒いので体調にはお気を付けて下さいね。 (2022年12月25日 1時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - TENSIさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (2022年12月15日 22時) (レス) id: 3155b38ccb (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page24 id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →遊星さん、ご観覧、ありがとうございます!アスモデウスですね!これからのストーリーの参考にさせていただきます。これからも、よろしくお願いします。 (2022年12月7日 14時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TENSI | 作成日時:2022年11月7日 23時