検索窓
今日:39 hit、昨日:2 hit、合計:21,379 hit

ページ19

Aside







『────な、なんだ?』

私はエイコを抱き締めながら、砂埃が止むのを待つ。

震えるエイコに優しく手を添えながら、薄らと見える影の二体を見つめた。




そして、そこには────…






『なっ…』

目を見張る程に美しい、ジャーマン・スープレックスが披露されていた。











「「オォォォォォオオオオッッッ!!!」」

その瞬間、野次馬達から、わぁっと歓声が辺りから湧き上がる。



『…阿呆らし。』

私はエイコを離して、溜息をつく。






「あ、あの…Aちゃ────」

「Aちゃんッッ!!!」


すると、アンドロが物凄く青い顔で息を切らしながら、走って来た。





『何?』


「何?じゃねぇの?!お、俺…マジビビって…!!アスモデウスの目の前に

直行してくから…!!」


仕方ないだろ、と私が言うと、アンドロは肩の荷が降りたように深呼吸をして、

私に時計を差し出す。






「Aちゃんの勝ち。俺の負け。」

『…………ふん。最初から、そう返しておけ。』


差し出された時計を受け取って、右手に着け直すと、私はエイコに向き合った。








『エイコ。怪我は無いか?悪かった、抱き締めたりして。』

「え?!いや、助けて貰って…何てお礼を言ったら良いか…!!」


エイコはそう言うと、何度も何度も頭を下げて、私に感謝の言葉を伝える。





「そ、その…Aちゃん。お礼になるかは分からないけど、良ければ今度、

一緒にご飯でも────って?!Aちゃん!?」


私は話をするエイコに、悪い、と伝えると、伸びているアスモデウスへ歩いていく。









イルマは酷く顔を青くしていて、どうすればいいか分からない、と言った風だった。



『おい』

「!!!」


声を掛けると、イルマは何故だか安心した様に泣きそうな顔になり、私に縋ってきた。






「あ、あの…ぼ、僕…!!こんな事するつもりなくて…気付いたら、あの…!!」

『分かったから黙れ。』


「は、はい…」


ギャーギャーと喧しいイルマを黙らせると、私はまず、一旦、

アスモデウスの容態を確認した。




気絶している様で、頭に触れると、小さなコブのようなものが出来ていた。

まぁ、この位なら医務室で平気だろう。


…運ぶか。







重力操作(フラクタル)

「!!!」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ベル - とても面白いです!カルエゴ先生の妹キャラ好きなので嬉しいです!!オチとかは無くカルエゴ先生と仲良くみたいな、、(語彙力無、、)そんな感じが自分はいいと思います。! (2023年1月6日 18時) (レス) @page27 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →もやしさん。ご観覧、有難う御座います!更新が不定期で申し訳ないです…これからも私のペースで頑張っていきますので、よろしくお願い致します!もう冬ですし、寒いので体調にはお気を付けて下さいね。 (2022年12月25日 1時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - TENSIさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (2022年12月15日 22時) (レス) id: 3155b38ccb (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page24 id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →遊星さん、ご観覧、ありがとうございます!アスモデウスですね!これからのストーリーの参考にさせていただきます。これからも、よろしくお願いします。 (2022年12月7日 14時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:TENSI | 作成日時:2022年11月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。