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Aside
『────な、なんだ?』
私はエイコを抱き締めながら、砂埃が止むのを待つ。
震えるエイコに優しく手を添えながら、薄らと見える影の二体を見つめた。
そして、そこには────…
『なっ…』
目を見張る程に美しい、ジャーマン・スープレックスが披露されていた。
「「オォォォォォオオオオッッッ!!!」」
その瞬間、野次馬達から、わぁっと歓声が辺りから湧き上がる。
『…阿呆らし。』
私はエイコを離して、溜息をつく。
「あ、あの…Aちゃ────」
「Aちゃんッッ!!!」
すると、アンドロが物凄く青い顔で息を切らしながら、走って来た。
『何?』
「何?じゃねぇの?!お、俺…マジビビって…!!アスモデウスの目の前に
直行してくから…!!」
仕方ないだろ、と私が言うと、アンドロは肩の荷が降りたように深呼吸をして、
私に時計を差し出す。
「Aちゃんの勝ち。俺の負け。」
『…………ふん。最初から、そう返しておけ。』
差し出された時計を受け取って、右手に着け直すと、私はエイコに向き合った。
『エイコ。怪我は無いか?悪かった、抱き締めたりして。』
「え?!いや、助けて貰って…何てお礼を言ったら良いか…!!」
エイコはそう言うと、何度も何度も頭を下げて、私に感謝の言葉を伝える。
「そ、その…Aちゃん。お礼になるかは分からないけど、良ければ今度、
一緒にご飯でも────って?!Aちゃん!?」
私は話をするエイコに、悪い、と伝えると、伸びているアスモデウスへ歩いていく。
イルマは酷く顔を青くしていて、どうすればいいか分からない、と言った風だった。
『おい』
「!!!」
声を掛けると、イルマは何故だか安心した様に泣きそうな顔になり、私に縋ってきた。
「あ、あの…ぼ、僕…!!こんな事するつもりなくて…気付いたら、あの…!!」
『分かったから黙れ。』
「は、はい…」
ギャーギャーと喧しいイルマを黙らせると、私はまず、一旦、
アスモデウスの容態を確認した。
気絶している様で、頭に触れると、小さなコブのようなものが出来ていた。
まぁ、この位なら医務室で平気だろう。
…運ぶか。
『
「!!!」
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ベル - とても面白いです!カルエゴ先生の妹キャラ好きなので嬉しいです!!オチとかは無くカルエゴ先生と仲良くみたいな、、(語彙力無、、)そんな感じが自分はいいと思います。! (2023年1月6日 18時) (レス) @page27 id: 6b74fe665f (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →もやしさん。ご観覧、有難う御座います!更新が不定期で申し訳ないです…これからも私のペースで頑張っていきますので、よろしくお願い致します!もう冬ですし、寒いので体調にはお気を付けて下さいね。 (2022年12月25日 1時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - TENSIさん» 分かりました。これからも更新、頑張ってください。そして、こちらこそ宜しくお願いします。良ければ私が書いた作品読んでみてください。 (2022年12月15日 22時) (レス) id: 3155b38ccb (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます!! (2022年12月15日 19時) (レス) @page24 id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
TENSI(プロフ) - →遊星さん、ご観覧、ありがとうございます!アスモデウスですね!これからのストーリーの参考にさせていただきます。これからも、よろしくお願いします。 (2022年12月7日 14時) (レス) id: 7e7c0fa434 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TENSI | 作成日時:2022年11月7日 23時