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Episode.1 ページ2

『はぁっ……!はぁっ……!はぁっ……!』



















我武者羅に森の中を駆け抜ける

後ろからは氷のつぶてが、いくつも私の顔の横を通り過ぎていく



















「捕えろ!」

「傷はつけるなよ」

「イー!!」



















なんでなんでなんでっ……!!

なんでここにいるの!?
なんで見つかっちゃったの……!?


必死に相手を回転させると自然と息もあがっていく

体も熱い


とりあえず、どこかに隠れないと……!


足を必死に回転させ、辺りをキョロキョロしながら隠れられそうな場所を探す

すると似たような景色が広がっている鬱蒼とした森が目の前に見えてきた


あそこならきっとどこに自分がいるかなんて分からない

漏れてしまっている元素力を完全に仕舞ってしまえば、アイツらは完全に私の行く先を見失うはず

私はすぐさま森の中へと逃げ込み、不恰好に伸びた枝葉によって擦れる肌は気にせず、後ろに迫る恐怖と死の気配からただただ一生懸命に逃げる



















『はぁ……はぁ……はぁ……』



















足がもつれかけ、そこで初めてとっくに限界を迎えていた足に気づき、近くの茂みに転げるように隠れる

両手で鼻と口を塞いで肩で息をしながら、口から漏れる息を必死に小さくする

しばらくすると、すぐ後ろまで追いかけてきていた彼らの気配が遠くになっていくのが分かった

念の為にと少しだけ顔を出して確認すると、そこにはもう人影はなかった



















『はあ……危なかった……』



















あるはずのない寿命が、一気に半分くらいまで縮んだ気がする

胸に手を当ててゆっくりと息を吐く

そして立ち上がって落ち着いて歩きながら、葉々から溢れる小さな日光を感じながらサクサクといい音を立てる草を踏みしめながら先を進む

ローブに付いているフードの頭の部分をギュッと前に引っ張り、目にかかるほど深く被り直す

一息ついて心を落ち着けていると、今までにあった厳しく受け入れ難い現実が脳裏に鮮明に蘇ってくる


どうしてあの人たちが……神からの恩恵が強い私の国を襲ったの……?
どうしてあんなにいい人たちが死んで、私が生きているの……?
どうして……あの幸せを当たり前だと思ってしまったんだろう……?


そんな答えのない問いが、どんどん頭の中に浮かんでくる

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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2024年4月6日 23時

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